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【vol.02】ペルソナ編
こんにちは。
最近、社内で「UX戦略」を参考に社内でワークショップを実施しました。今回は「ペルソナ編」の記録です。
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ワークショップでは既に様々なフレームワークを実施しており、着手した資料は
ペルソナ ←今回
競合分析表
バリュープロポジション
MVP(Minimal Viable Product)範囲策定
ストーリーボード
MVP
とかなりの数になりました。
本シリーズは各資料の種類ごとに記事にしていく予定です。今回はペルソナ編になります。よろしくお願いします。
ペルソナ
ペルソナとは、これからやってくるユーザーが
何歳で、
どんな仕事(または学業)をしていて、
どんな家族構成で、
どんなものを好み、または嫌い、
サービス自体に何を求めるか…など、まだ見ぬユーザーをなるべく精密に考察するパートです。
創作でキャラクターを作る工程と思うと楽しいかもしれませんね。
1.共感マップ
私の場合は、ペルソナを作る前に「共感マップ」を作ってからペルソナを作ります。
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読んで文字のごとく、このフレームワークは想定するユーザーの体験や感情に共感するためのものです。具体的な人物プロフィールを突然考え出すことは難しいので、具体的な事象から人物像のヒントを得ようというわけです。
というのも、私は業務上社外の人とコミュニケーションを取ることはほとんどありません。
なので、自社のターゲットがどんな人かもよく分かっていない状況でペルソナの制作がスタートしています。
今回のペルソナ制作のヒントになるのは、前回の「ビジネスモデルキャンバス」と、チームミーティングや雑談から得た情報です。
それらの情報をもとに、共感マップを3人分制作しました。
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1人目は、「ホームページを制作したい企業の社員」です。
クライアントとなることが多いので、チームのミーティングや雑談などでよく聞くタイプということもあり、一番解像度が高い人でした。
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2人目は、「個人で活動しているクリエイター」です。
採用関係の業務をしている社員の話を聞く機会が多いので、この人も割と解像度が高めでした。
ただ、1人目よりは想像でカバーしているところが多いです。
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3人目は、「人材派遣企業で働く営業マン」です。
この人が一番よくわからないタイプでした。営業連絡や業務連絡でこういった人が一定数いるのは知っていましたが、人物像に関する情報は一切キャッチできなかったので、かなり想像でカバーしています。
ここまで1人で作りましたが、想像でカバーしている部分が多いですね。これでは説得力のあるペルソナを作ることができません。
そこで、「実際にカドベヤに連絡をしてくる人たちとよく話す社員」にレビューしてもらいました。
レビューの結果、2の人と3の人は追加できる要素が出てきました。
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「個人で活動しているクリエイター」は、採用担当の社員からたくさん追加情報を得られました。フリーランス特有の悩み、思考、行動がかなり具体的にピックアップされました。
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「人材派遣企業で働く営業マン」も同じく、採用担当の社員からたくさん追加情報を得られました。同業者にあたるので、採用活動に際して何に注目しているかなどが具体的に捕捉されました。
レビューの結果、各人物のプロフィールがより鮮明に見えてきました。
前回と同様1人で作業を完結させるのではなく、可能な限りチームやクライアントなど、違う視点を持つ人たちと一緒に作ることが完成度を高める鍵だと思います。
2.ペルソナ
共感マップをもとに、具体的なプロフィールを詰めていきます。
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各人物のペルソナは以下のようになりました。
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「ホームページを制作したい企業の社員」の星野さんは、弊社によく相談がくるクライアントの性質を基準に設定した人物です。
事業推進担当者として本人は理想を高く持っていますが、予算を気にしていたり、決裁権のある上層部の説得に苦労しているなど、妙に生々しいペルソナになりました。
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「個人で活動しているクリエイター」の原田さんは、企業勤めを経験した上でフリーランスに転身した、という背景の人物です。
近年webクリエイターはフリーランスや独立する人が多い傾向にありますが、営業をして人脈を作らなければいけなかったり、確定申告やインボイスなどお金の勉強も必要で、夢に見たような「自由な働き方」とはギャップを感じる人も多いはずです。
こちらも割と生々しいペルソナに仕上がりました。
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「人材派遣企業で働く営業マン」こと内山さんは、弊社に営業連絡をしてくる企業を想定した人物です。
これはカドベヤの採用担当がモデルになっており、共感マップのレビューを通して解像度が高い人物に仕上げることができたと思います。
3.チームで内容をブラッシュ
ペルソナまで詰め終わったので再度チームに展開し、ブラッシュします。
このとき言われるまで気づかなかったのは、そもそもの話、ペルソナを作る目的は「ターゲット」をより深く知るということです。
これを作っているとき、私は「今カドベヤによく来る人たち」の人物像でペルソナを作っていました。
チームに展開したところ、この中に「スコープ外」のペルソナが含まれているという指摘が入りました。
スコープ外のペルソナは、「人材派遣企業で働く営業マン」の内山さんでした。
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なぜターゲットではなかったのかというと、(細かい条件は省きますが)「競合他社」だったからです。
ペルソナの制作は割と時間がかかる工程なので、まずはターゲットを想定して無駄な制作をしないようにしましょう。
今回のまとめ
この資料の制作に着手する前は自社のターゲットはぼんやりとしかわかっていませんでしたが、ペルソナ制作を通してかなりはっきりとターゲットを認識することができました。
また、これを作る材料になった前回のビジネスモデルキャンバスも有用であるという実感も同時に沸きました。
次回は、自社のことを詳しく調べ終わったので、競合他社を調べて自社と並べて比較する競合分析表を制作し、ワークショップで社内レビューを行った様子を記事にします。