【vol.03】競合分析表編
こんにちは。
最近、社内で「UX戦略」を参考に社内でワークショップを実施しました。今回は「競合分析表編」の記録です。
ワークショップでは既に様々なフレームワークを実施しており、着手した資料は
競合分析表 ←今回
バリュープロポジション
MVP(Minimal Viable Product)範囲策定
ストーリーボード
MVP
とかなりの数になりました。
本シリーズは各資料の種類ごとに記事にしていく予定です。今回は競合分析表編になります。よろしくお願いします。
競合分析表
競合分析表は、調べてみると「これ」といったテンプレートは出てきません。どの項目を調べるか、何件比較対象を用意するかは業界やスケジュールで変わってきます。
私も競合分析表の制作は初めてなので、今回はシリーズの序盤でも紹介した「UX戦略」内にあった内容を参考に表を作りました。
項目の数としては結構多いですが、ツールを利用して手早く項目を埋めることを目標に制作を始めました。
競合他社のピックアップ
まずは比較対象探しです。
最初の項目から重要で、文字通り“競合”として適切な他社を選ばなければいけません。
私がピックアップする際に注意した条件としては、自分たちのターゲットや目標が近しいことです。この辺りの条件は、前回のペルソナ策定ではっきりしました。迷ったらペルソナに戻りましょう。
今回具体的には、
採用したい人材
受注したいクライアント
会社のブランディング
の3点が近しいと思われる他社をピックアップしています。チーム内でもアクセスしやすいように、URLを載せる欄も設けましょう。
サイトの目的
選んだサイトが具体的にどんなサービスを提供し、またどんなビジョンを掲げているかを記載します。
例えば、同じWeb制作会社でも得意分野や規模感、大切にしている価値観は千差万別です。こういった細かい違いも明文化して並べることで、自社との違いを比較しやすくなります。
リサーチツールで時間短縮
この後調べたい項目には、サイト上には載っていない情報がいくつかあります。具体的にはPVやユーザーの属性ですね。
アナリティクス等を確認しないと手に入らない情報は、簡単に分かる物ではありません。
そこで、会社にすでに導入されているリサーチツールを活用しました。
Dockpit
弊社では既に資料制作の際にDockpitを利用しており、このツールが競合調査の項目を埋めるのに非常に役立ちました。
絶対的に正しい数字が出るわけではありませんが、ユーザーの傾向を知るためには十分な情報が出てきます。
Dockpitで埋められる競合分析表の情報としては、
集客構造(何経由でサイトにアクセスしてきているか)
年間トラフィック
PV
男女比
年代の傾向
居住地域
があります。これだけでも競合に訪れるユーザーの特徴が見えてきます。
Ubersuggest
このツールは主に「どんなキーワードで検索してきたか」を調べるのに使いました。
これから立ち上げるサービスのSEO対策にも一役買うツールだと思います。
ということで、このツールでは
流入キーワード
の欄を埋めることができました。
どちらのツールも自力で調べる労力を大幅に節約できるため、このような調査の際は類似ツールの導入で時短することをおすすめします。
データを元に競合の特徴をまとめる
ここまではサイトに載っている・アナリティクスなどからわかる事など、一次情報がメインでした。
ここからは以上を踏まえて競合の特徴をわかりやすく文章でまとめる工程です。
パーソナライゼーション
ここでは「特に役立つ機能」という定義をしています。
たとえば、「Amazonはログインしなくても基本的な検索機能が利用できる」という点が該当します。
ピックアップした複数の競合他社も、パーソナライゼーションをまとめ始めると個性がはっきりと見えてきました。
競争優位
ここでは「競合にはない独自の価値」という定義をしています。
パーソナライゼーションで文章にした個性を箇条書きでまとめ直すイメージで大丈夫です。
競合の強みが凝縮されてくるので、一目で差別化しやすくなります。
ヒューリスティック評価
実際にサービスを利用したり、サイトを訪れた感想や総評を書きます。
デザイナー視点、ディレクター視点、さまざまな評価が集まると説得力が増すでしょう。
今回のまとめ
他社を知ることで、相対的に自社のすべきこと・目指すべき方向が見えてくる有意義なワークショップでした。
調べて埋めるだけの工程がほとんどなので、説得力の割にコスパもいい価値の高い資料になると思います。
次回は、自社の立ち位置がわかってきたところで「バリュープロポジション(顧客が求めている、かつ競合が持っていない自社の価値・強み)」を掘り下げるワークショップの様子を記事にします。