近所のおばちゃんでありたい私たち〜社内における心地よいナナメの関係〜
皆さま、こんにちは!アカツキ Loungeチームの和田です。
アカツキには「メンバー同士のリアルなつながりの創出」をミッションに掲げたLoungeチームが存在し、目黒オフィス8階のラウンジを起点に活動をしています。
そんなLoungeが去年1周年を迎えて、大切にしたい事を改めて振り返った記事はこちら。
今年は、年始に読んだ「経営リーダーのための社会システム論」(著者:宮台真司/著 野田智義)をきっかけに、Loungeチームの和田としてどんな立ち位置で社内メンバーの皆と接するかを模索した振り返りからいくつか分かち合いたいと思います。
皆さんが改めてナナメの関係の良さを感じるきっかけになれれば嬉しいです!
失われてしまったご近所付き合い
皆さんには、仲の良いご近所さんはいらっしゃいますか?
私にはとてもお世話になった仲良しのご近所さんがいます。ここでは仮にお名前を田中さんとしましょう。
田中さんは、私の実家の2戸お隣にお住まいの70代のご夫婦。
元々は母と奥さんが仲良くなり、家の前で二人がおしゃべりしている時に挨拶をするようになったのがきっかけでした。
あっけらかんとした元気な性格の奥さんと、一見寡黙だけど実はいろんなおもしろ話を秘めている旦那さん。
挨拶を交わすところから、いろんなお話しをするようになり、いつの間にかお互いを「ちゃん」付けで呼ぶようになり、私が結婚する際には、旦那さんと一緒にご挨拶までいく間柄になりました。
そのような人付き合いは、一昔前には街の至るところで見られる風景でした。
ところがSNSが普及した現在、実名や顔を出さないコミュニケーションに気軽さを感じる人が増え、対面でのコミュニケーションを億劫に感じ、避ける人が増えてきています。
つきあいたい人とだけ、つきあいたい時にだけ、見たい部分だけ見る、部分的な人間関係を可能としたSNSの世界は、コロナをきっかけに更に多くの人を魅了してきたと言えるかもしれません。
その結果、同じアパートに住んでいる人と一度も顔を合わせない、共用廊下に人がいる気配がすると、気配がなくなるまで外に出ない、、など。
かつて当たり前とされていた引っ越しのご挨拶や、ご近所さん同士でのお醤油の貸し借り、助け合いは、今は物珍しいものとなってしまいました。
私たちはナナメの関係性から得るものがある
親でもなく、兄弟でもなく、学校の友達でもなく、ご近所さん。ある種「第三者」との関係性は、私の人生の中でとっても大きな影響を与えてくれました。
皆さんも、人間関係において程よい距離感の相手に助けられた経験はないでしょうか?
「ちょっとは知ってるけど、深くを理解しているわけではない」相手に、自分の気持ちを打ち明けやすかったり、新しい観点からのアドバイスをもらえたり。
現に、私は田中さんから「お母さんをもっと大切にしなさい!」等のお説教をしてもらえる仲でした。(今では私の旦那さんにもお説教してくれます)
それは、自分の家族や友人関係での常識を見直したり、社会を知る上でもとても大事な瞬間でした。
タテ関係の親や上司でもなく、ヨコ関係の友人や同僚でもなく、程よい距離感で時にお節介なナナメのご近所さんは、自分自身や日々の生活をほんの少し豊かにしてくれる、そんな存在に思うのです。
Loungeがナナメの関係になれた瞬間
日々Loungeで接するメンバーの皆さんと私たちは、上司と部下の関係でもなく、同僚という関係ともちょっと違っています。
皆さんの具体的な業務の内容やプロジェクトの状況を、詳しく理解できているわけでもありません。
それでも、そんな立場の私たちだから出来ることがあるのだと、この1年間で気づくことができました。
そのきっかけになった出来事は、今年の1月末のこと。
ある日の業務後、若手男性社員さんがラウンジで作業をしていました。
彼は日中ラウンジによく立ち寄ってくれる仲の良い人だったので、帰宅前に少し声をかけてみると、その受け答えから普段よりも少し元気のない様子が分かりました。
聞いてみると、既存の業務に加えて新しい部署への兼務となったばかりで、翌日から初の海外出張に向かうとの事。
新しい業務の勉強やプレッシャー、初出張への緊張、言語の壁などなど。。
普段割と冷静な彼が「すごい緊張してる、もうどうしよう!」と取り乱している姿が忘れられず笑、翌日、何か出来る事はないかと思った私は、ラウンジでの珈琲イベントがきっかけで作成されたSlackチャンネル上でこんな投稿をしました。
すると、チャンネルにいらした皆さんから続々と応援メッセージが投稿されました。
後から聞いたところによると、ちょうどその投稿がされたタイミングが飛行機に乗る前だったようで
「すごく心強くて、すっごく嬉しかった。久しぶりに、会社でこういう温かさを感じた瞬間でした」と教えてくれました。
その時、私たちLoungeチームは、社内メンバーのご近所さんのようなナナメの立場で接することができるのだと実感しました。
組織におけるナナメの関係性
組織において、タテの関係はもちろん必要です。そこから学び、鍛錬され成長することができます。
ヨコの関係も大切です。悩みや不満を共有したり、相談しながら支え励まし合うことができます。
そして、ナナメの関係。ふとした瞬間に、何気ない会話をして少し肩の荷が降りたり、ちょっと笑顔になれたり、また仕事頑張ろうと思ったり。
この存在を不要だと言う人もいるかもしれません。特に会社組織においては、必要不可欠というわけではなく、その効果も数字には現れにくいものです。
コロナをきっかけにオフィスからは人が居なくなり、ただでさえメンバー同士の繋がりや関係性が薄まっていくなかで、わざわざナナメの関係の必要性を説く人はあまりいないでしょう。
それでも、アカツキにはそんな立場になれるLoungeチームがいます。
今年は、メンバーの皆さんからプライベートのお話しを聞く機会がとても増えました。
ご家族のこと、趣味のこと、キャリアのこと、ご結婚のこと、推し活のこと…。
「無事出産しました!」とお写真付きで報告をくれたり
「ホワイトデーのお返しには何が良いですか・・」と相談をくれたり
「みかん差し入れでもらったから持っていきな!チームの皆にも!」とおすそわけをしたり
「そんなジャンクフードばっかり食べてないで野菜食べなさい!」とお節介をしたり…。
以前までは、プロジェクトの中にいるわけではないという事に、メンバーの皆さんを正しく知ることが出来ないのではという、一種の劣等感や疎外感を感じてしまう瞬間もありました。
ですが今は、そんな関係値の私たちが発することで価値を持つ言葉や、行動があるのではと感じています。
近所のおばちゃんでありたい私たち
常々、私たちは「Loungeに自分たちがいる存在意義」について意識して仕事をしています。
Loungeという場所は、それだけで充分な機能やアイテムがあり、その価値があります。
そこに敢えてチームを作って人を置いていることの意味を考えながら、自分たちには何ができるかを考えます。
その立ち位置や役割は、会社の状況や接する相手によって常に変化し続け、時に自分たちも迷子になることがあります。
ですが、そんな時には一度肩の力を抜いて、「近所のおばちゃん(もしくはお姉さん笑)」になって、メンバーの皆さんと心地よいナナメの関係を築いていくことも、素敵なことだと今では知っています。
そんな事を考えながら、私たちは来年も「お疲れ様です」とラウンジで皆さんをお迎えし「いってらっしゃい」とお仕事に向かう皆さんを送り出したいと思うのでした。