既にKpopは次の次元へ? aespa - Next Levelをレビュー
こんにちは、今日もKpopの話題です。
aespaのNext Levelという曲がやばいと私の中で話題なので取り上げます。
話に入る前にまず聴いてみて下さい。
なかなか挑戦的な曲ですよね。
↓ちなみに韓国では評価が割れているそう
楽曲の分析
この曲はaespaの1作目「Black Mamba」という曲の続作らしいです。
今回は世界観には言及せず、単に音楽作品としてのレビューを掲載します。
MVにもSFの世界観があるそうですが、そこには触れません。
では特徴的な点をパートごとに取り上げていきます。
Aパート
まず特徴的なベースのリフが循環していますね。
これをverse循環型というらしいです。
ちなみにVerseは日本でいうAメロみたいな扱いです。サビはChorusと言います。Aメロやサビという呼び方は日本独特のものです。
今回は海外の曲なので世界基準に合わせて表記します。
Verse循環型で有名なのはBillie Eilish - bad guy
ずっと同じ伴奏が循環してますよね。
特に特徴的なメロディーもなく、ラップ調。
筆者も初めて聴いた時はこのまま最後まで行くのかなーと思っていました。
ところがどっこい変化は2番のVerse
「Watch me while I work it out」の一節から曲調がガラリと変わります。ここからBパートとします。
Bパート
うねるベースはどこへ行ったのやら、煌びやかなPadサウンドともに透き通る歌声が初めて登場。リズム系も音色は変わっていないものの打ち込みのパターンを変えているので雰囲気がガラッと変わります。ただこれくらいの変化は他の曲でも見受けられます。
なんなら以前の記事で紹介したITZYのIn the morningのラップパートからの繋ぎの方がなかなかエグい。↓まだの方はどうぞ
他にも理論的なことを言うとキーもF#mからDに転調してます。コード進行もサブドミナントマイナーを使用した、この後に何か仕掛ける予感を漂わせています。
転調や音楽理論に関しては以下の方ブログ(外部ページに飛びます)がすごくわかりやすく説明しているので興味ある方はどうぞ。
1小節のリズムブレイクを挟んだ後にそれは訪れます。Cパートです。
Cパート
絶賛の評価を受けているのも、最悪の評価をつけているのも同じくこのパートの存在でしょう。
一言で表すならば「おしゃれ」
こちらもBパートからは転調に加えて、リズム隊の音色も変わってます。
キックとスネアの音色もアナログライクなサンプリングを使用しています。
キーはEmでコード進行はE9→C9
ブルースなどに使われる進行です。
左右に散らしてあるエレピの音が一層、おしゃれ感を増幅してます。
曲の構成を通しての所感
曲の構成としてはA→ B→C→Aとなっていますが
おそらく視聴者の評価の良し悪しを分けたのは、A→B→Cのつなぎが効果的に聴こえているかどうかだと思います。
ソリッドなダンスミュージックのAパートから、おしゃれなCパートのギャップを楽しめるか。。。
そして重要なのはBパートの存在。本来ならAとCを繋ぐ役割を果たすはずが、これはどう聴いても繋ぎの役割は果たせていません。
それを斬新と感じるか、不恰好と感じるか です。
ちなみに私は初めて聴いた時、驚きのあまり声を上げてしまいました(自宅でよかった)。
1回目聴いた時の印象は「これはアカンやろ、、、」
2回目聴いた時「これは、、、」
3回目「、、、」
4回目「これは、、、」
5回目「イケてる!!!」
もう6回目はAからB、BからC、CからAを楽しみに聴いている自分がいました。
個人差はありますが、かなりのスルメ曲だと思います。
再生回数も公開1週間で7600万回。このままだと1ヶ月以内に1億行くでしょう。
何回も再生したという、私と同じ症状の方がいるはず。
考察します。
最近、展開が複雑な曲がヒットチャートに乗ることが増えた気がします。
もちろんJpopでも。
日本で売れると言われた王道の構成
イントロ→Aメロ→Bメロ→サビ→Aメロ→Bメロ→サビ→間奏→大サビ
この構成は飽和して、聴いていて次の展開が容易に予想できる。
ユーザーとしては飽きている状態まで時代が進んでしまったのではないでしょうか。
誰でも気軽に曲が聞けるように聴けるようになった今、逆に飽きられやすい視聴環境が生まれてしまったわけですね。
だから何か目新しいことをしないと聴いてもらえない。
そして新ヒットの構成
2番のAメロ、もしくはBメロ後から新たに展開
例を取り上げましょう
Official髭男dism - Cry Baby も構成的には2番のAメロ後半から別の展開へ飛びます。なおこちらも転調のオンパレード。
複雑な展開+転調は今後もトレンドになりそうです。
YOASOBI - 夜に駆ける
日本で知らない人はいないんじゃないかと言うくらいの名曲になりましたね。こちらも2番のAメロ後から新たな展開に飛びます。
ただ音色は統一されているのでそこまで違和感は感じないはず。
LiSA - 炎
こちらも昨年大ヒットした楽曲。2番のBメロ後はサビにはいかず、リスナーの予想を裏切ってきます。こちらも転調のオンパレード。
以上のように既にそのフォーマットは出来上がっていると言えます。
その裏切りをさらに裏切ってきたのが今回のNext Levelなわけです。
もう別ジャンルをぶち込んじゃう。
冒頭でも言いました。これかなり挑戦的な曲です。
Kpopの制作陣は既に次世代のヒットフォーマットを新たに作り出そうとしてるのです。
もう一度聴きましょう、Next LevelのChorusパートの歌詞は
「I'm on the Next Level. I open the door over there.」
びびっちゃいますよね。いやビビりますよ。
「俺たちが世界のトップに立って音楽シーンを牽引するんだぞ」というメッセージがビシビシと伝わってきます。
そして再生回数とその人気が示している通り世界はそれを受け入れつつあります。
この形態の楽曲が今後流行るかどうかはわかりません。
しかし間違いなく次のレベルの指標は示されたのではないでしょうか。
今回はここまで。凡人でした。