OCTOPATH TRAVELERが指し示す、RPGの新しい可能性
Nintendo Switchを持っているなら、このゲームは絶対にやった方がいい!と個人的に思っている作品が3つある。
1つ目は、「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」。
2つ目は、「ゼノブレイド2」。
そして、3つ目がタイトルにもある「OCTOPATH TRAVELER」(オクトパストラベラー)である。
OCTOPATH TRAVELER
OCTOPATH TRAVELERとは、スクウェア・エニックスから2018年7月13日にNintendo Switch版、2019年6月7日にMicrosoft Windows版が発売されたRPG(ロール・プレイング・ゲーム)である。
スクウェア・エニックスによる新規IPのRPGであり、コマンドバトル、キャラクターによって異なるフィールドコマンド、攻略にさまざまな可能性をもたらすジョブシステム、ドット絵調のグラフィックに3Dの効果を加えた「HD-2D」と呼ばれる表現手法、フルボイスのキャラクターとオーケストラ調のBGMがファミコン時代RPGの懐かしさと新しい可能性を演出している。
今時の人は遊ばないだろうけど、RPGは子供の頃から好きなジャンルであり、スクエニの新規IPでそれもブレイブリーシリーズを制作したチームによる王道のRPGと聞き、ダウンロード版を購入して発売日に有給を使って寝ずにプレイし、本屋開店と同時に同時発売された攻略本も買って土日までぶっ通しでプレイした。
最近のリアルなグラフィックのゲームも遊ぶけど、3D酔いが激しい自分は長時間のプレイに耐えられず、休憩を都度挟まないと吐き気を催してしまうのだが、オクトパストラベラーに関してはキャラクターのシナリオを終えるまで休まずにプレイすることができた。
三半規管が弱いゲーマーにとって、体調に左右されずに長時間ゲームが遊べるのは至上の喜びではないだろうか?
「正道」と「邪道」で4人ずつ分かれた8人のキャラクター、キャラごとに用意された決して明るいとは言えないストーリー、8つの地域に分かれて十二神を信仰している大陸が舞台となっている王道ファンタジーらしい世界観、背景に奥行きを感じる美しいグラフィック、壮大なのにドット絵RPGにマッチしている重厚な音楽、戦略性のある戦闘システム、ジョブの組み合わせによるゲーム攻略の無限の可能性、他にも魅力はあるけれどこれらの要素が全部合わさっていて最高のゲーム体験を味わうことができた。
特に音楽が秀逸で、打ち込みのみでなく生音も使った音楽が多数で、オーケストラ調のBGMが奥行きのある美術表現や雰囲気の変化を丁寧に演出している。
個人的には「OCTOPATH TRAVELER - メインテーマ」「バトル1」「勝利のファンファーレ」「盗賊テリオンのテーマ」「商人トレサのテーマ」「薬師アーフェンのテーマ」「踊子プリムロゼのテーマ」「砂漠の歓楽街 サンシェイド」がお気に入りで、サントラを発売日に入手して通退勤中に聴く音楽としてヘビーローテーションしていた。
https://www.jp.square-enix.com/music/sem/page/octopathtraveler/
8人のキャラクターから最初に1人を選んでそのキャラクターのシナリオを進めつつ、7つの地域に向かって自由に他のキャラクターを仲間に加えて進めていくのがオクトパストラベラーの基本的な遊び方である。
RPGにおいて最も重要なのは金策だという持論のもと、敵が出現するエリアを移動するたびに所持金が増えていく商人キャラのトレサを選ぶか迷ったが、どのゲームにおいてもスピードのあるキャラクターが好きだという点、NPCから確率でアイテムを奪えるフィールドコマンド「盗む」を持っている点、序盤から「マジックスティールダガー」という相手の魔力を奪う攻撃技を持っており、事実上無限に特殊技が撃ち放題という点もあって、自分は最初に盗賊キャラのテリオンを選んだ。
どのキャラクターを最初に選ぶか、誰をどの順番で迎えに行くか、どのジョブを選択するかで、オクトパストラベラーは無限の攻略法で遊ぶことができる。
オクトパストラベラーは、既存のゲームジャンルであるRPGの正統進化なのではないだろうか?これは初めてプレイした時に感じた率直な感想である。
現在、「OCTOPATH TRAVELER 大陸の覇者」というスマートフォン向けアプリもリリースされており、「OCTOPATH TRAVELER」の前日譚を遊ぶことができる。
HD-2D版 ドラゴンクエストⅢ
ドラクエ35周年ということで、後継ナンバリングである「ドラゴンクエストⅫ」の制作、そして「HD-2D版 ドラゴンクエストⅢ」の制作が発表された。
自分はドラクエ12の制作よりも、ドラクエ3リメイクが何よりも嬉しくて興奮した。
ティザームービーで流れた映像がまさしくオクトパストラベラー風のドラクエだったからだ。
「HD-2D版 ドラゴンクエストⅢ」は、1988年2月10日発売の「ドラゴンクエストⅢ そして伝説へ…」を元にしており、家庭用ゲーム機向けで全世界同時発売を目指し、オクトパストラベラーに用いられている「HD-2D」の技術を用いて制作されるという。
ドラクエの生みの親である堀井雄二氏は、HD-2Dで1と2もリメイク版を作りたいともコメントしている。
オクトパストラベラーをプレイした時に感じたRPGの正統進化という可能性を、こんなにも早く他IPで味わえるとは思ってもいなかった。
既存の作品の雰囲気を壊すことなく、新しい表現手法としてHD-2Dはそのゲームが持つ世界に彩りを加えることができる。
HD-2Dはゲーム業界の財産であるスクエニの美しいドット絵を、現代においても美しく最大限に活かすことができる素晴らしい技術であると自分は思っている。
ファミコンで出たFF1からFF6までのファイナルファンタジーシリーズはピクセル版でリメイクされるが、叶うことならばクロノ・トリガーもHD-2Dでリメイクしてほしい!頼んだよスクエニさん!
OCTOPATH TRAVELER、HD-2Dを通じて、ゲームから離れたファミコン世代、ドット絵RPGに触れたことのない世代、レトロゲー好きの人、ファミコン時代のRPG作品が盛り上がってくれることを切に願っている。