カシマさん、あるいはカシマレイコ②
自分が知ったカシマさんとして語られる最も古いものは、傷痍軍人の霊とされる話です。
その後知ったものとして、テケテケ型としてのカシマレイコとの間の時期に流行ったとされる、夢に現れる問答型があります。
内容は時代を経て変化していきますが、その噂全てで共通するのは
『カシマさんの話を聞いた者の前に現れる』
という点ですが、この
『話を聞いた者の前に現れる』
『テケテケと同一視される』
の二点は、海外で紹介される日本の都市伝説でもキチンと取り上げられており、海外においてもアイデンティティとして認識されているようです。
そしてもうひとつ、カシマさんとカシマレイコの伝説で共通するのは
『四肢のいずれか、あるいは脚が欠損している』
という点です。
昭和四十年代頃までだと思いますが、物乞いをする傷痍軍人が街にいたという話があります。
目撃された傷痍軍人の多くは、戦争で四肢のいずれか、または複数を失っていたといいます。
同一視されるテケテケもまた、両脚または下半身そのものが欠損しています。
四肢の欠損とカシマさんの因果関係は未だに不明ながら、カシマさんの起源として用意されたストーリーは必ず四肢を失う話、主に暴行殺人や列車事故でバラバラ死体となるパターンが語られています。
個人的には、こうしたバラバラ死体となる話は全部後付けではないかと思うのです。
なにせカシマさんは、起源も実像もあやふやなのですから。