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心霊スポット③
心霊スポットに行ったら祟られる、呪われるという話は
「霊をお持ち帰りする」
とは少し違うように思います。
というのも、心霊スポットとなった元凶が、そんな簡単に何処かへ行くものではないと思うからです。
ここ二十年くらいですっかり怪談に定着し、よく見聞きするようになった言葉に「霊道」がありますが、
その逆で滅多に聞かなくなった言葉に「浮遊霊」があります。
浮遊霊という言葉は、心霊写真ブームの中で地縛霊と共に現れ、地縛霊の対になる存在として定義されていたと思います。
その場に縛られ続ける地縛霊に対し、海を漂うクラゲのように移動する浮遊霊。
強い執着の地縛霊に対し、執着の薄い浮遊霊、のように扱われていたように記憶しています。
現在は霊道という言葉が広まったことによって、霊はベルトコンベアーで運ばれるかのように、規則正しく列を成して往くものになってしまったように思いますが、かつてはその辺を漂い、時折写真に紛れ込む存在だったんです。
そこで「お持ち帰り」に戻りますが、このお持ち帰りされるモノの正体は、かつて浮遊霊と呼ばれていたモノなのではないでしょうか?
我々がうっかりしていて忘れていただけで、彼ら彼女らは相も変わらず我々の周囲を漂い続けていたのではないか、ということです。
執着の薄い、根無し草の浮遊霊だからこそ。
突然憑いてくるし、コンビニやファミレスへ寄ることで簡単に置いていくことができる。
そう考えると、整合性は一応取れてますね。