東京国立博物館の「特別展 はにわ」がおもしろくて。
現在、上野公園にある東京国立博物館の平成館で、特別展「はにわ」が開催されています。
実は、会期直前の内覧会に参加する機会を得た自分は、トーハク(東京国立博物館)に行ってきました。
数年前にトーハクで開催された「縄文展」で、火焔土器や遮光器土偶に圧倒された経験がありました。今回もあのときの興奮を求めて「特別展 はにわ」に吸い寄せられてきたわけなのです。
「特別展 はにわ」の目玉は、トーハク平成館の入口上部に掲げられた大きなバナーの中心に見える写真の「挂甲の武人」。
今回は、この戦士の格好をした埴輪が国宝指定された50周年を記念しての展示です。
さて、埴輪にはいろいろな有名なお方たちがいらっしゃいます。
例えばこれらの方たち。
有名な方々ですね。
どこかでみたことあるでしょう?
展示を観に行くと、このように埴輪の横顔だって拝めちゃいます。
割と鼻が高いのがわかりますね。
背後に回って後ろ姿を観ることだってできます。
歴史の教科書の写真に映っていない角度から鑑賞できる、それが博物館での展示を観るおもしろさのひとつでもあります。
そして、もちろんメインキャストの「挂甲の武人」にも会ってきました。
淡々とした表情ながら、甲冑に身を包んだ武人はやはりりりしくて。
そう思うと、彼が何かを心に秘めているような表情にも見えてきます。
東京国立博物館 学芸研究部調査研究課考古室 主任研究員である河野正訓さんの解説によると・・・。
さらに河野さんから伺った、鑑賞が楽しくなるポイントも挙げておきます。
5体のうちの一体は、なんとアメリカから60年ぶりに里帰りしてきたものです。挂甲の武人(国宝)に一番よく似ています。
5体は同じ挂甲の武人ながらも、よく見れば違いがあります。
国宝となった挂甲の武人は、やはり細かなところまでの造形が丁寧であり、完成されています。
会場では、それぞれ別ケースに入った5体が並べて展示されているので、前後左右から細かな違いを楽しみながらぜひ鑑賞してみてください。
また、埴輪とは製作された当初には、彩色されていたものらしいです。
科学的な分析結果によって、使用されていた顔料などのかすかな痕跡をもとに製作当時の色を再現した「挂甲の武人」も展示されています。
埴輪はたとえ武人をかたどったもので、どれほど凛々しさがあっても、どこか優しく親しみやすく感じられると思いませんか。
今回の展示では、人物埴輪、動物埴輪、そして形象埴輪などさまざまな種類の埴輪が展示されています。
見てこれ。
こんなにかわいい埴輪がいました。
さらにこのような埴輪も。巨大でした。日本最大。
さらにこんな方も。
ちゃんとまわしもしている、力士さんです。
自分が個人的に好きなのは、次の写真の人。
あなたは一生懸命貴人に尽くしているんですね。
生真面目さがその姿勢と表情にあらわれているようです。
さて、こんな方々もいらっしゃいました。
ちょっと他の埴輪とは様相が違います。
古墳時代の武人姿ではないですよね。
平安時代、鎌倉時代の武者のように見えて。
実はこの埴輪は、明治天皇の陵墓を守る武人埴輪と同じ型で造られた埴輪だそうです。つまり、明治天皇は埴輪の武人を従えて眠っておられる・・・!
知ってた?
そんなわけで、今トーハクは「特別展 はにわ」に湧いています。
展示はもちろん、ミュージアムショップでのハニワグッズも楽しいです。
最近は、歴史グッズの買いすぎを控えるようにしている明石 白ですが、やっぱり購入してしまいました。爆買いしている方々もいらっしゃいましたよ。
さ、会期はまだ始まったばかりです。
時間があったら、ハニワールドへタイムトリップしてみるのも悪くないです。
埴輪の世界はこんなにおもしろいですから。