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自作キーボード設計者が決めた2025年の目標と戯言
はじめに
1度は遠ざかっていた自作キーボードの世界ですが、友人の言葉がきっかけで2024年3月から戻りました。それからというもの、キーボードやキーキャップ、さらにはデスクマットまで手掛けていくうちに、気づけば2024年があっという間に過ぎていました。
2025年は、この1年で得た知識や経験を活かし、より完成度の高い作品を作り上げることを目標としています。ただ形にするだけでなく、細部にまでこだわり抜いた「自分らしい」作品を世に送り出したいと考えています。そのために、具体的な目標をいくつか設定しました。これらの目標を達成することで、自分自身のスキルをさらに高め、作品に磨きをかけていきたいと思っています。
2024年の経験は、間違いなく2025年の創作活動に活きるはずです。これまでに培った技術やアイデアを土台にしながら、2025年もものづくりの道を一歩一歩進んでいきます。この1年をさらに充実したものにするために、目標に向かって全力で頑張りたいと思います。
目標1:試作品から完成品へ
私は趣味でキーボードを作っています。自分で考案した「Lotus配列」を採用したキーボード「Akasha」を数年にわたり制作してきましたが、その大半の時間は配列の調整に費やされていました。何度調整しても、「もっと良くなるのではないか」と思い、繰り返し改良を加えています。
しかし、2024年に3Dプリンターを導入したことで、試作品の制作速度が大幅に向上し、ついにLotus配列の調整を終えることができました。2025年中には金属の削り出しケースを作成し、試作品だったAkashaを完成させて、いわゆる「End Game」にしたいと考えています。
とはいえ、ケース作りも簡単ではありません。マウント方式、デザイン、ケースに角度を付けるかどうかなど、多くの課題をクリアする必要があります。ケースのデザインを改良するために基板の形状を見直すなど、前の作業に戻ることもあります。
特に、キーを打つ際の快適さに大きく関わる「角度」の調整は重要です。少しだけ角度を付けるとキーが打ちやすくなることがわかり、現在は3Dプリンターで異なる角度のケース底面を試作しながら、大量の文字を打ち込んで最適な角度を探しています。
具体的には、次のような結果が出ています。
5度: 手首が浮いてしまう
4度: 少し手首が浮く
3度: 手首が浮かず快適
2度: ちょうど良いかもしれない
1度: 打ちやすさに変化を感じない
現在は「3度」と「2度」のどちらが最適かを検討中です。この角度が決まらないと、次のデザイン作業に移れないため、早く結論を出したいと思っています。
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目標2:キーキャップをアルミで削り出す
オリジナルのキーキャップ「Ekam」は、蓮の花びらをモチーフにした左右非対称のデザインが特徴です。この形状は市場ではほとんど見られないユニークなもので、外観には強いこだわりを持っています。ただし、打鍵感に関しては一般的なキーキャップと大きな違いがなく、使い勝手も損なわれていません。自分の理想を形にできたことに非常に満足しています。このキーキャップを作ったことで、「キーキャップ沼」から抜け出せました。
このEkamをアルミ削り出しで製作する場合、中国の加工業者に依頼すれば比較的安価に済むと思われますが、その分、細部の仕上がりに不安が残ります。一方、国内の金属加工会社に依頼すれば高品質な仕上がりが期待できますが、その分コストも大幅に上がるのは避けられません。
これまでの発注経験から勝手に推測すると、加工費や材料費などを含めて1個あたり1万円前後になる可能性が高いです。最低でも44個のキーキャップが必要となるため、総額で50万円程度の予算が必要と見積もっています。かなり高額であり、現状の予算では厳しい状況です。そのため、すべてのキーキャップをアルミ製にするのではなく、一部のキーキャップだけをアルミにするなど、妥協案を検討する必要があるかもしれません。
「Ekam」は自分にとって理想のデザインを追求した結果生まれたものです。それだけに、完成品を手にしたいという思いは強いですが、現実的な選択肢を考えながら計画を進めていきたいと思います。
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目標3:脂肪を減らす
2024年はパーソナルジムに通い、トレーナーさんとマンツーマンのトレーニングに励んでいました。このジムでは栄養士の方から食事のアドバイスを受けられるサービスもあり、そのアドバイスに基づいた食事を心がけていたのですが、気づけば10キロも体重が増加してしまいました。「健康になるためにジムに通っているのに、これでは逆効果だ」と危機感を覚えたことに加え、トレーニングに飽きが来たこともあり、パーソナルジムを解約しました。
解約して残ったのは、しぼんだ財布、少しの筋肉、そして大量の脂肪です。その後、食生活を元に戻したものの、若さに頼れなくなった今、減るのは筋肉ばかりで脂肪がなかなか減らないという厳しい現実に直面しました。そこでランニングを始めたのですが、もともと走ることが好きではなかったうえに膝を痛めてしまい、長続きしませんでした。
しかし、このままでは健康面でも見た目も良くないと感じ、思い切ってピストバイクを購入。サイクリングを始めたところ、楽しみながら体を動かせるようになり、2キロの減量に成功しました。
とはいえ、その後の減量が難しい状態で、その理由は次の通りです。
サイクリング中に行動食でエネルギーを補給してしまう
目的地でお菓子を食べてしまう
運動後の食事がとにかく美味しい
運動後のドクターペッパーが格別に美味しい
例えば、往復70キロも走るサイクリングでは、行動食からのエネルギー補給は必要不可欠ですので、こちらは多めに見ましょう。目的地での甘いものや運動後の食事、さらにはドクターペッパーの誘惑に負けてしまうことが問題です。「せっかく動いたのだから少しぐらい」と自分に甘くなってしまい、その結果、摂取カロリーが消費カロリーを上回ってしまうこともしばしば。
2025年からは食生活を改め、誘惑に打ち勝つ意志を鍛えることを目標にしています。具体的には、運動後の食事の量をコントロールすることや、間食を減らすことから始めたいと考えています。「体を動かす楽しさ」と「健康的な体」を両立させるため、もう一度しっかり向き合い、改善していきたいと思います。
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おわりに
ドクターペッパーは世界一美味しい飲み物ですが、「健全な精神は健全な身体に宿る」や「人は食べたものでできている」といった言葉を聞くと、今の自分には少々耳が痛いものがあります。そんな自分を変えるべく、2025年には3つの大きな目標を掲げ、健全な精神と体を手に入れて、健康を意識しながら自作キーボードの活動に取り組んでいきたいと考えています。
また、2024年はキーボード界隈の知り合いが増えたこともあり、イベント以外でも気軽に集まれる機会が作れたらいいな、とも思っています。例えば、少人数で集まり、1人1台ずつキーボードを持ち寄って、午後から夜まで語り合う…そんな会ができたら面白そうですよね。具体的な計画はまだありませんが、そんな「ワイワイできる場」をいつか実現できたら嬉しいです。
2025年もよろしくお願いします。
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この記事はAkasha試作機を使用した書きました。