プレゼント
先日ファミレスに娘と入りました。先に並んでいた男性一人が案内され、次に隣の席に私達が。 食事を終えて空いたお皿を下げに来た店員さんが、隣の席の男性のドリンクグラスを倒してしまい、机の上にに細かい氷が…。
慌てた店員さんがすぐに謝罪、『お洋服は大丈夫でしたでしょうか?』と何度も何度も謝っています。
飲み残しが少し入ったグラスですから、隣で見ていても大した被害じゃない事は一目瞭然です。
が、その男性の怒涛の攻撃が始まります。
『何やってんだ‼︎』
『上のもん呼んで来い‼︎』
『気分良く飯食ってんのに‼︎』
『だいたい入り口からの案内も態度が悪かったんだよ‼︎』
…とめどなく店員さんを攻撃する言葉が続きます。
店長さんらしき人も駆け付けてのお詫びと、勢いを増す責めの言葉が響きわたり、のどかなファミレスが深夜の歌舞伎町のように一転しました。
初めは周りの人も
「あっ、やっちゃったな」
位だったものが、延々と続く怒号を聞いているうちに、うっすらその男性の狙いが見えて来たと思います。
『あーなるほど、見返り狙いね』。
ここぞとばかりに、グラスを倒した事とは関係の無い粗探しまで始まり、空が青いのも、冬が寒いのも、グラスを倒した店員さんのせいにするような勢い。
可愛そうに・・・、きっとこの店員さんは朝の星占いは最下位だったのだろうな…、「頑張れ」と心の中でエールを送りつつ、私達は先にお店を出ました。
想像ですが、この男性はどこかでこんなやり取りから美味しい思いをした事があるのかもしれませんね。
あれだけ謝罪をきちんとしているにも関わらず終わらない文句、終わらせたいお店側が「代金は結構です」と言うのを待っているのか、はたまた「次回ご利用下さい」などとお食事券を渡されるのを待っているのか。
少し話が変わりますが、私が赤坂に来た当時も割引きで遊ぼうとするお客様からの問い合わせがありました。
以前の社長がその日の売り上げを少しでも増やす為に値引きをしてお客様を案内していたのだと思います。
それをやると、そのお客様は定価で遊ぶ事がとんでもなく勿体ない気分になるでしょうし、毎回値引きを交渉するようになるのは当たり前の事で、そのお客様が悪いわけではありません。悪いのはそんな事をするお店側です。
お客様 「いつも割引きで遊んでるんだけど」
私 「そうでしたか、今は経営者が変わったので出来ないのです」
お客様 「〇〇さんいないの?」
私 「もうおりません」
お客様 「じゃぁ〇〇さんは?」
私 「夕方来ますが、〇〇が来ても割引きは出来ませんよ?」
お客様 「じゃぁもう使わないよ」
私 「そうですか、大変申し訳ありませんが、割引きは出来ませんので」
・・・こんな感じのプチバトルが何度かありました。
人間は味をしめるとそこに基準を合わせるようになってしまう生き物なのかもしれません。
うちの犬のご飯の缶詰が、安売りスーパーだと定価220円の物が168円で買えるのです。
それとは別に、犬のおやつが安く売っているペットショップにおやつを買いに行き、「そうだ、缶詰も無かったから買って帰ろう」と思って見ると、そのペットショップでは198円。
まとめて20缶買う物なので、600円も高くなると思うと手が出ません。 安売りスーパーの値段を知る前までは、198円も安いと喜んで買っていたはずなのに。
168円に味をしめています。
風俗のお仕事で働く女性にもきっと良くある事だと思います。
※お店の基本プレイには無い事を次回の指名に繋がるかもしれないとサービスでしてしまう。
※確実に指名に繋げ予約を逃さない為に、連絡先を教えてしまう。
※本来ならオプション料金がかかる事を無料でしてあげてしまう。
・・・女性からすると、自分の安定収入に繋げる為の営業努力であったり、いつも来て頂く事への感謝を表す為の
「1度だけの特別なプレゼント」
のつもりだった。
でもお客様は、その女性は特別サービスが良い女性なんだと思い、毎回当たり前のようにプレゼントを期待し要求するようになる。
特別だったはずのプレゼントが、基本プレイの一つのように重みが無くなってしまう。
行き違い無くご利用頂く為の連絡先交換だったのに、親しい友人や親ともしない頻度で
「元気?何してんの~?」
なんて連絡が毎日毎日何度も来るようになり、そのやり取りにうんざりしてしまう。
これもあるあるだと思います。
私も含め、人は特別が大好きでサービスやおまけが大好きなのです。
上記の事からトラブルになったり、当たり前のようにプレゼントを要求するお客様に嫌悪感を持つようになる話はとにかく昔から頻繁に耳にします。
これを防ぐには、
「今日は○○さんと知り合った記念日だから1回だけ特別にね!」
や
「お店に来る時だけ連絡下さいね、普段は私お客様とのやり取りはしないと決めているので」
など、プレゼントを渡す前には難しいかもしれませんが大きな太い釘を刺しておく必要があると思います。
この釘を忘れてしまうと、特別な想いを込めたプレゼントの価値が無くなってしまい、当然のように要求され、ある日断りでもしたら例の掲示板に
「生意気でサービスが悪い」
などと書かれてしまいかねません。
普段は無いようなちょっとしたお得を体験出来た時、次もと欲を出す人になってはいけないのでしょうが、これって本当に難しいですよね。
思いがけず貰えるプレゼントこそ、普段味わえないような嬉しさを味わえるはずなのですが…。
こう書きながらも、何かを買う前には最安値を検索している私が書いても説得力ゼロだなと反省しつつ終わりたいと思います。
今回も、最後までお付き合い、ありがとうございました☺️
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