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十勝の日々

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北海道大樹町での生活の記録。
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#エッセイ

移住先に「何もない」と不安なあなたへ

大樹町に引っ越してきて、もうすぐ3ヶ月になる。 最初の2週間は、新型コロナウイルスのことが心配だったので家に引きこもっていたが、徐々に近くの飲食店に行ったり、町の温泉に行ったり、海を見に行ったり、少しずつ行動範囲が増えてきた。 大樹町は、山も海もある、横に長い町だ。だから多分、海霧が発生しやすくて、よくあたりが真っ白になっている。霧に包まれているときは、お隣の家もぼやけていて、家の前の遠くに立っている防風林の影が浮き出ていて、静かで、少し不気味だ。なんとなく、霧が出ていると

料理が上達した夫

夫はあまり料理をしない人だった。 一緒に暮らし始めたときは、私の方が料理が得意というのもあって、基本的には私が料理をし、夫が手伝ってくれるという構図だ。 そんな関係に、何かしらの居心地の悪さがあったのか、はたまた手伝わないと私の機嫌が悪くなるのかはわからないが、少しずつ作ってくれるようになった。 最初は、ネットに転がっているレシピを見ながら作っても、失敗することが多かった気がする。失敗の理由は大抵決まっていて、野菜を均等な大きさに切らない、とか、事前にレシピを読んで頭に入

ワインと本は、誰かの一言がほしい。

大樹町に引っ越してから、もうすぐ2ヶ月が経つ。緊急事態宣言も明けて、(東京は220人以上の感染者が見つかったようだけど)十勝に至ってはピリピリとした空気は感じられない。ありがたい。 無性に、紙で本を読みたい。札幌に住んでいた頃と違う点は、外食が少ないので20時〜22時が暇になった。手元のスマホでマンガは読める、Kindleで映画も見れる。だけれども、無性に本が読みたい。紙で、小説が読みたい。 小説が読みたすぎて、近所の本屋さんに行った。 札幌の頃は、街の中心部に行けば大き