チョコレートで愛を語ろう
チョコレートはわたしの鬼門だ。
お金を惜しめなくて困る、唯一の食物なのだ。
焼き鳥大好き・安上がり(でも絶対的においしいもの)が自慢なのに
チョコとなると一転、別人格が顔をだす。
こんなわたしにしたのは、同僚がフランスみやげにくれた、
3粒のラ・メゾン・デュ・ショコラだ。
優雅で、でしゃばらなくて、品がよくて。淡雪のように
ふっと消えていくあの時間。
舌の上に、その痕跡を一切残さない見事な潔さ。
ぼんやりしてたらあっというまなのだ。
一粒に集中しなくてはならない。
呼吸を感じるんだ!いまここ、にいなくては!笑。
あの体験を何度でも味わいたくて、
2月になると、わたしの目は皿のようになる。
バレンタインのおかげで、大阪でいつもは買えないブランドが
近所の百貨店で買えるからだ。いい時代だー
遠い昔の憧れだったジャン=ポール・エヴァンも
ラ・メゾン・デュ・ショコラも、いまでは伊勢丹でいつでも買える。
もうそこにはギラギラしなくてもいい。
自分の好きなショコラトリーも、だいぶつかめてきた。
定番すぎるけど
やっぱり、BABBIのウエハースはこの時期に食べておきたい。
1個でいいから・・・でもいい値段なんだ、その1個が。
その昔に試食して、手頃で美味で腰がくだけそうになったペイラーノの
ジャンドゥィオッティだけは絶対に外せない!
これらは梅田阪急で手に入る。運がよければ。
余力があれば、クリストフ・ルッセル。
ついでに昔買って満足度の高かったピエール・ルドンをどうするか・・
大丸梅田にいってから考えよう。わたしはウキウキと歩き出す。
サダハル・アオキは凝り過ぎていて、わたしにはちょっとtoo much。
昔ホールのケーキを食べたときにそう感じたことを思い出す。そういう情報は、たいていはジャンルを超えて包括しているものだ。やめておこうっと。
そんなふうに買っていくとあっという間に
いちまんえん超えていく。
おそろしいことだ・・・
昔、京都の伊勢丹でそうなってしまってから、
かなり自制はしている。4万円は超えないように、を目標に。
とくにフランスやベルギーのチョコレートの
繊細さと口当たり、総合力は本当に芸術だと思う。
確かに高価な嗜好品に違いない。
でも、私にとっては、美術館に飾られている作品と同じで
アートや美、人間の創造力を感じさせてくれるものだ。
しかも食べられる。
なんてすごいことだ!
買わずにいられようか。
だから、こういったチョコは誰よりも
自分のためにわたしは買う。
心と五感の、元気のもととして。
それと同性の友達にもプレゼントしたい。
味わいというアートを共に楽しむ感性のある人に、そっと渡す瞬間を心から幸福に思う。
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