何度も読み返したくなる本-吉本ばなな:作『N・P』
皆さんこんにちはPinkです。皆さんは、何度も読み返したくなる本はありますか?私は、すでに20回以上読み返している本があります。1990年12月25日に発売された吉本ばななの『N・P』です。
私が彼女の事を知ったのは、学生の頃友人から勧められたのがきっかけなのですが、その中でも『N・P』は定期的に読み返したくなる本になりました。何度も読んでいて、展開もわかっているのに不思議ですよね。
その『N・P』が何と❗️ベルギーを拠点とする映像作家リサ・スピリアールトにより実写映画化され、2022年10月に劇場公開されました。
今回は、そのことについて書きたいと思います。
吉本ばなな
吉本ばななと言えば、「哀しい予感」「キッチン」「TUGUMI」などの作者で、映画化された本も多々あります。
以下参考サイトになります。
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小説「N・P」
『N・P』の魅力とは何なのか。簡単にあらすじを紹介したいと思います。
『N・P』という97本の短編が収録された英文の短編を残して48歳で自ら命を絶った、高瀬皿男の3人の子供、二卵性双生児の高瀬乙彦と高瀬咲・二人とは母違いの姉になる箕輪翠と加納風美の物語です。
風美は高校生の頃に『N・P』未収録の98話を翻訳していた庄司と付き合っていたのですが、その庄司も自ら命を経ってしまいます。そしてその5年後、高瀬乙彦と高瀬咲と再会し、新たな展開を迎えます。
そして、庄司の形見でもある98話目の原稿をねらう女、翠が現れます。翠は過去に皿男と近親相姦の関係にあり、また現在は乙彦と関係をもっています。高瀬皿男の死後もなお、『N・P』に翻弄され続ける風美の激しく美しい夏の日々を描いた作品です。
ここまででも、かなり衝撃的な内容だと思いますが、私は、読む度に、また、読んだ時の年齢により、様々な感想をもちます。その辺りに、何度も読み返してしまう、『N・P』の魅力があるのではないでしょうか。
映画「N・P」
スピリアールト監督は、10代の頃に初めて原作小説を読んで魅了され、たった一人で2015年に企画を立ち上げたとのことです。
それから、2017年に撮影し、編集・サウンドデザイン作業を重ねた後、約5年の歳月をかけてこの映画を完成させたそうです。また、本作が初の長編映画監督作となります。
今回『N・P』に登場する本に魅了された若者たちを演じるのは、ベルギーを拠点に多岐に渡る表現メディアで活動する、アーティストのリサ・スピリアールト監督本人、日本の新進気鋭の振付家・ダンサーの川村美紀子、ヴァン=デ=ステーネ・サールチェ、宮村周志になります。
また、本作は、状況音楽と楽器以外の音を背景に、セリフが字幕で表示されるという独自のスタイルが一貫されていて、そこが評価され、第31回マルセイユ国際映画祭 国際コンペティション部門をはじめとする、世界各国の映画祭で上映されたそうです。
最後に
ここまで紹介していながら、実はまだ映画を観ていません。「note」に書いたことを機に、ぜひ観たいと思います。
こちらでも記事を書いているので、よかったら読んでみて下さい!
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