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「結婚するなら親が離婚してない人がいい」って、それはチラシの裏にでも書いとけ

元元元彼関連でもう一個思い出した。

▼この元元元彼ね

昔、彼を含む仲のいいメンツで飲んでる時、「どんな人と結婚したい?」って話題になった。

わたしは元カノとして同席していたので、変にわたしを想起させることは言わないで欲しいな、とか、何言われても普通のリアクションしなきゃって構えてた。

そこで彼が言ったのは「親が離婚してるとか、そういうんじゃなくて、普通の家庭に育った人がいい」。

それも、「いや、ちょっとこういうこと言うのはアレかもしれないんですけど…」ってへんな前置きというか、「一応僕も大っぴらに言うことじゃないとわかってるんですよ」的なポーズを取ってからその発言をした。

発言から察するに、直近で付き合いそうになった(ホテルに行った)女の子は家庭環境が複雑で休職中のいわゆるメンヘラだったらしく、付き合うのを見送ったようだった。

わたしは聞いた。「でも、離婚って親のことじゃん?その子自身の問題じゃないじゃん?なんでダメなの?」

「それはその通りなんだけど…やっぱり親が片方いないとか、家族仲が悪いとか、そういう人はどこか精神が普通じゃないというか、なんかそんな気がする」「そういうのじゃなくて、普通の家庭で育った普通の人がいい」

“普通”の家庭で育った”普通”の人

彼は、わたしが3歳になる前に、実の父に捨てられたことを知らない。

わたしの実の父が、結婚後に母よりも好きな人を見つけてしまって、どうしてもその人と一緒になりたいから母に離婚を切り出したことを知らない。

わたしが再婚後の新しい家族に馴染めずに、ずっと不安定な心を持って生きてきたことを知らない。

そんな重たい過去を、当時付き合っていたその彼には知られたくなくて、ただの彼女として接してほしくて、全部押さえつけてわたしが隣にいたことを知らない。

唯一彼がわたしの家族について知ってるのは、付き合ってる時に「うち、あんま家族仲良くないんだよね」ってぼやかして言ったわたしの発言だけ。

彼は「まあ、俺は家族みんな仲良い方がいいと思うけど」ってこともなげに言ってた。

わたしは「そうだよね」って返すしかなかった。


そのことを今日会社の階段を降りてる時にふっと思い出して、思わず脱力しそうになった。

記憶に蓋をしていたのに、後ろからバッと追いつかれて追い越されたような衝撃だった。


5人兄弟の長男で、親の誕生日に兄弟で計画してサプライズプレゼントするようなお前に、わたしの苦しさなんてわかるかよ。

今付き合ってる「普通」の彼女と「普通」に結婚して、「普通」の子供でも作っとけ。

そりゃ、精神が複雑な人間と付き合う大変さも、そういう人を避けたい気持ちもわかる。

でも、離婚とか家庭環境とか、その人自身でどうしようもないことを、「ロングヘアの子が好きかな」みたいなレベル感で結婚相手の条件として持ってくるなよ。

本人の努力でどうにもできないんだから、人種とか肌の色に言及するくらいタブーなんじゃないの。

そういうのは、誰にも見せないチラシの裏にでもそっと書いとけよ。

表向きには「料理上手な人かな」とか適当に言って、最終結婚考える段階になった時に、そのチラシの裏の本当のチェック項目とそっと照らし合わせればいいだろ。

「今の彼女は本当にいい人で、もうプロポーズしようかなと考えてて」彼ははにかんで今カノのことを語ってた。

あなたが結婚したいと言うくらいだから、きっと「普通」の人なんだろう。

7年前くらいに流行ったような丈感で、謎の花柄のだっさいスカートを履いた今カノは君にとってさぞかし普通なんだろう。(なぜか今カノの写真見るタイムがあった)


生まれから逃げたくて、ずっと普通になりたくて、もし君と結婚できたら普通の幸せな女性になれるかと思って、いろんな過去を押さえ込んでずっとわたしがいい彼女を演じてたことを、もう君は一生知らなくていいよ。


あなたの求めていた「普通」の女性じゃなくて、ごめんね。

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