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連絡をしない という優しさ

中学の時、好きな人がいた。
同じクラスの子だった。

初めて会った時、他の人とは違う何かを感じた。
この人と結婚するかもとか、そういうはっきり言葉にできる感覚ではなかったけれど、”この人と何かある”という予感がした。

中学時代は、つかず離れずな感じで、友達以上にはならなかった。
私の心の中ではずっと友達以上だったけど。

高校からは別の学校で、日常的な接点はなくなったけど年に1・2回は会っていた。
だいたい夏と冬。
花火大会と二年参り。
二人でじゃなくて、何人かの同級生と。

それが、去年途絶えた。

理由は、彼に彼女ができたから。
正確に言うと、ずっと付き合ってはいたけれど、その彼女が私との関係を疑い始めたから。

実は、大学生の時にほんの一瞬、彼と付き合った期間があった。
といっても、一瞬の気の迷いのようなごく短い期間だったから、付き合ったとはとても言えないけれど。
それを今の彼女が知って、不安になったみたい。
それはそうだ。私がその彼女でも不安になる。

ちなみに、彼とのお付き合いがごく短い期間で終わってしまったのは、
友達以上だけど、恋人未満でもあると知ってしまったから。
私の中で大きく膨らんだ”彼”の姿は、現実とはズレた私の理想で出来上がっていたと知ってしまったから。

とはいっても、長年関係が続いてきた理由は確かにあって、
恋人としてはうまくいかなかったけど、友達としてはずっと関わっていきたかった。
だから、彼から「もう連絡を取れない」と言われたときは、かなりショックだった。女友達より彼女を優先するという当たり前のことに正直腹が立った。
同時に彼との関係は終わらないと驕ってた自分にも嫌気がさした。

今は、受容の5段階感情を一通り経験して、私からは連絡を取らないという結論に至っている。何もしないことで、守られる平和があればそれで良いと思う。
たまに、夢に出てきたりするとどうしているかな~と恋しく思ってしまうけれど、連絡したりはしない。

この先の私の人生で彼が再び出てくることがあれば、その時はまた中学時代みたいに楽しい時間が過ごせれば良いなと、まだ見ぬ未来に淡い期待を抱きながら。


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