小心者にマッチングアプリは難しい①
7月になって、無性に人肌が恋しくなった。
人肌恋しい季節というのは、だいたい寒い時期を指すのだろうけど、そんなこと関係なしにそういう寂しさというのは、やってくる。
こういう気持ちになるのが今まで全くなかったわけじゃないけれど、なんというか社会人になって今まで以上に孤独を感じるようになったのである。
加えて、冬ごろから、私とよく遊んでくれる友人達にほとんど恋人ができた。
別に遠慮することはないと言われるけれど、何度も遊びに誘うのは躊躇う。何より、話している間、恋愛の話をしてなくても、「あぁ、この人には恋人がいるんだ」と思って勝手に落ち込む。恋愛対象ではない私が知らない部分を突然現れた人間が知ってる。それがなんだかムカつくのである。
それに対して、友人は私のほぼ全てを知ってる。私には友人の知らない、絶対に知り得ない部分があるのに、友人は私の知り得ない部分がない。私に恋人がいないから。
私も恋愛対象に向ける態度、表情を持ち合わせていないと、対等でいられない気がする。
捻くれた考え方だが、そういうのも相まって出会いがない私はマッチングアプリを始めた。
(②に続く)