見出し画像

詩こそ我が人生【自己紹介代わりのエッセイ】

 月ノ宮 朱莉です(ペンネームです)。私には、好きなことがあります。知って下さっている方もいるとは思いますが、それは「詩を書くこと」です。それを好き、ということが、私の宝物。作品が世に出て、「認められる実感」というようなものは、あまり味わったことがないのですが…。

 良いものを書けているかどうか、よく分からないままに、私は詩を書くことを20年以上好きでい続けています。

 

 詩を書くことが好きだなぁ、と自覚を持ち始めて3年目くらいの、20代前半だったある時のことです。私はペンネームを決めて、自分の書いた数編の詩を、とある有名な出版社の社長さんに送り付け、生意気なようなことを手紙に書いて、「出版を希望している」旨を伝えました。

 するとすぐさま返事が届きました。社長さんのお手紙には、「あなたの詩は、作品などと呼べるものではない。夢見る夢子ちゃんが馬鹿なことを言っていますね。」というような内容のことが書いてありました。

 私は血の気が引いて、もの凄いショックを受けました。そして、言葉というものが、こんなにも人の心を傷付けることが出来るんだということを、改めて実感したのでした。

 確かに、当時の私は馬鹿みたいな夢を語って、出版社の社長さんを呆れさせたかもしれませんね。

 それからしばらくは、私はものを書くのが怖くてなってしまいました。そこで一気に「書く」ということに関して、釘を刺されたような気持ちがしました。

 

 …とそんなことがありましたが、私は今でも詩を書くのが好きで、2021年に本名で本を出版して、長年の夢を叶えることが出来ました。

 ところが、です。発売から3年経った時点でのその本の売れ行きは、ほんの数冊、というオチ?があり、しかも買ってくれたのは、全て私の友人や知人です。世の中には行き渡っていません。トホホ…という気持ちではありますが、私の詩への愛は、枯れることなく書き続けているのです。

 

 私は思います。好きなことがある人生は幸せだと。それは、人から評価されたり、認められるから幸せになれるのではなく、何があっても「好き」が溢れ続ける泉を心に持っているから。そして、それは喜びの泉でもあります。

 人に良いと思ってもらえるものを書けているか、分かりませんが、(最近、良いと言ってくださる方と出会えました。嬉しいです。ありがとうございます!)私は私の心のままに、ツバメが大空を翔け巡るように、自由に翼を広げて羽ばたいて行ける。この喜びに感謝して、これからも生きて行きたいのです。

  書いても書いても報われない、そんな心情になることもありはしますが、私はどうしても詩を書く時間、幸せを感じずにはいられません。詩人と呼ばれ得ない、詩の好きな人。そんな自分でも、良いと思えるのは、何があっても書くことを続けて来られた自分に出会えたから。

 私は詩が好き。それは私の大切な真実。作品はコテンパンに言われ、やっと出版した本は売れない。そんな事実を覆すように、私を幸せに導いてくれる「詩を書くこと」が、私の生きがいと言えるのでしょう。私は詩が認められたら幸せなのではなくて、詩を書くことが幸せなのだと、この20数年間に学びました。これからも、書いて行きたいです。真心を込めた私の、人生へのラブレターのような詩を。


※お読みくださりありがとうございます。
 こちらのエッセイは、約2年前に書いたものです。
 今回noteに載せるにあたり、ほんの少し加筆修正しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?