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KEI's Craftと短編ミステリの時間⑦

2016年10月 仙台市内のカフェ・モンサンルーさんで開催した、
”短編ミステリ×キャンドル”の展覧会より、作品をご紹介してきました。

⑥の最後に、「次回が最終回です」というようなことを書いておきながら、なんと私、ミスに気づきました…。ここまでの作品紹介、数えてみたところ
9作品分しかありませんよね!「13の謎」なのに。。
そう…、2作品分のご紹介が抜けていたのです。すみません。
やはり以前のお仕事・作品展の資料諸々、まとめてみるというのは大切だと実感しました。その当時に写真撮って、ブログにアップして終わり、だけでは記憶もバラバラに保存されてしまうのかもしれませんね(私だけか…)。
18年ほど前になりますか、初個展を開催した時などは、写真もプリントアウトして、1冊のアルバムにまとめていたことを思い出しました。初心忘るるべからず(反省)。

今回はそんな、危うく忘れられるところだった2作品のご紹介です。

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「 ミカエルの鍵 」
エルザ・バーカー
( レイモンド・T・ボンド 編 / 宇野 利泰・他 訳
『暗号ミステリ傑作選』 (創元推理文庫) 収録 )

原題: The Key in Michael
by Elsa Barker
from FAMOUS STORIES OF CODE AND CIPHER
edited by Raymond T. Bond, 1947

◇ キャンドル作品名:「The Key」

暗号!と聞くだけで まずワクワクしてしまう私ですが、
この「ミカエルの鍵」は、ストーリーの底流に、おばあさんから孫息子へのあたたかい愛情が流れていて、それが感じられるところが大好きです。
また、探偵 デクスター・ドレイクがカッコいいのです。

そして、もちろん、肝心の暗号が良いんです。
日本ブリタニカの「遊びの百科全書」シリーズ・第5集「暗号通信」(絶版)の中に、ミステリの中の暗号についても取り上げられていて、
この「ミカエルの鍵」も載っています。有名な暗号と言って良いでしょう。(※解読されて解説されちゃってますので、作品未読の方は、上記の本を読んではいけません※)

『賢くありなさい、そうすれば、謎を解く鍵は目の前にあるのですよ』

作品は、透明なキャンドルに、鍵を封じ込めて、「暗号」を表現してみました。ちょっと分かりづらいですが、下の画像の、右上のキャンドルです。
灯すと、ガラスに火が灯っているような、こんな雰囲気に・・・

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次の作品は、最近、時を経てあらためて話題になったという、この1冊。
かなり昔の本なのに、先日、書店で平積みで置かれていたのを見てびっくりしました。

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「 鍵 」
井上 ひさし
(『十二人の手紙』 (中公文庫) 1978 より )

◇ キャンドル作品名: 「切手」

仙台ゆかりの作家、井上ひさしの、「手紙」をテーマにした連作短編集。

メールやLINE、SNS主流の昨今、若い方が、切手を封筒のどの位置に貼るか知らない、封筒に入れずに住所も書かずに書類をそのままポストに入れた、などという話を聞いて、手紙文化はもう忘れ去られてしまうのか…と寂しくなります。
昔の手紙に使われている言葉や、時候の挨拶のような文言でさえ、
もはや”暗号”なのではないでしょうか?
そんな若い方にも、ぜひ読んでみてほしい本です。
もちろん、ミステリとして極上です。私は好きです。

私が選んだのは、「鍵」という一編ですが、この本は、必ず通しでお読みください。
手紙を通して、また、運命のいたずらで繋がったりほどけたりする人間模様。なんとも不思議な魅力に富んだ一冊です。

キャンドルは、手紙といえば切手…というわけで、切手をコラージュした作品です。いざ使用済み切手を探してみたら、私自身 手紙をいただくことも少なくなったため、少しだけになってしまいました。もっと側面を覆うくらいに貼りまくりたかったのですが…。

手紙の相手のことを思い浮かべながら、切手を選ぶ時間も楽しいものです。レターセットも結構使わないまましまってあるし、誰かに手紙を書きたくなりました。

さて、⑧に続きます。
今度こそ本当に、次回が最終回です(苦笑)。



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