[今年7本目]ギルバート・グレイプ
今年7本目はギルバート・グレイプ。90年代の映画なのですが、初鑑賞でございます。ジョニー・デップ/ディカプリオ/ジュリエット・ルイスとすごい豪華なキャストですね。ディカプリオ若い!演技うまい!
若い頃のジュリエット・ルイスも久しぶりに見た気がする。ナチュラル・ボーン・キラーズのジュリエットルイスがとても印象深くて、ジュリエット・ルイスといえばあの役って感じだけど(自分の中では)、ギルバート・グレイプの役も結構はまり役だった。
アメリカのボヘミアン的な若い女性役に、こんなにハマる人もなかなかいない気がする。
ジョニー・デップのこういう役は自分的には結構新鮮だった。
友人が最近見て「結構良かった」と感想を話していて、「そういえば見てないな」と、事前情報一切なしで鑑賞した映画だったんだけど、非常に純粋で切なく感動する内容(めっちゃ月並みな表現でごめん)だった。その純粋さや主人公を取り巻く環境とかが、とてもアメリカ的で、アメリカという環境の中でなければ、こんなふうに純粋性を表現することはできないような気がする。
美しいアメリカの風景の中で、淡々と展開する切なくやるせないひとつの家族と、その家族を取り巻く小さなコミュニティの物語。
同じような設定で同じような映画を他の国で撮ろうとしても、おそらくこういうストーリーに展開させることはできないのではないか。
アメリカの田舎という社会や、文化の中でしか成立することができない小さな小さな物語なのだが、そこには90年代アメリカの飾らない姿が凝縮されていて、曇りガラスに閉じ込められたようなその鈍いキラメキは、目にはそう見えなくても、確かに鮮やかに煌めいていると誰もが感じるに違いない。
まさしくそれこそが、90年代アメリカの魅力であり、私たちの追憶の先で懐かしく思い出される記憶そのものなのである。