なぜ火エレメントが最初なのか(1)ーー牡羊座とmind
近頃私の頭を悩ませているのはこれだ。
牡羊座が最初なのはまあ、理解できる。季節の概念から見て、活動宮が最初であることもまあ、理解できる。
しかし火エレメントが一番最初になるのはどうしてなのか。他の、例えば、死後の世界とかいう魚座から始まっても良いではないか。あるいは、牡牛座が自分の存在を(物理的に)確かめてから自分の存在を確信したって良いではないか。
それにもかかわらず、私たちはなぜ、牡羊座が一番先に来ることが自然だと思うのだろうか? なぜ「我あり」が一番先に来るのだろうか?
言い換えれば、火エレメントの何が、そんなに特別だというのか?
本シリーズでは、牡羊座の性質と私たちの「人格」概念を結びつけて論じる。
人間は人間存在に特別な地位を与えている。動物に権利があるとしても、人間に与えられている権利は最上位のものであろう(権利には法的なものと道徳的なものとあるが、今回はこれらの区別はしない)。なぜ人間がこのように特別な立ち位置にあるのかといえば、人間には人格があるからである。
本シリーズの目次は以下のとおりである。本記事の以下は補足なので、もし本編に直接進みたいなら、以下の「2」のリンクに移って欲しい。
1. なぜ人格か?ー人間の特殊性(この記事)
2. 牡羊座と人格
3. mindを司るものとしての火エレメントー他の火星座はどうか?
4. まとめー物事の「火」種としての性質
1.1.なぜ人格か?(半ば補足)
人格、私たちの心であったり精神であったり、いろいろな言い方ができるかと思うが、おそらくこう言われて「人間以外にもあるものですね」という人はそれほど多くはないと思う。
このような私たちが私たちであると感じられるのはどういうことか、というのが哲学では論じられてきた(より専門的にいうと、「時点Aと時点Bで同一存在が同一存在であるための必要条件は何か」というものだ)。がその詳細はとりあえず割愛しよう。
ここで重要なのは、私たちがなんとなく、私やある人が時間を跨いで存在すると感じられており、ナチュラルにそのことを信じていることである。人間の特別さのもと、自由意志を重視する西洋占星術において、その人間の特別さ=人格の特別さと、(知性と思考と感覚はまだわかりやすい気もするのだが)火の精神はどう結びついているのだろう?
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