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無在庫販売(ドロップシッピング)の落とし穴─“手軽”でも顧客不在では続かない理由─

在庫を持たずに済む・・・そんな魅力から、無在庫販売に飛びつく人も多いでしょう。
一部のモールは厳しく取締、大幅に減少したとはいえまだまだあります。

例えば、「産地直送」が売りのショップでほぼ100%の商品が直送品というケースもあります。
仲介業者からリストをもらい登録し、受注が入ったら仲介業者や各地の仕入先へ発注をする運用方法です。

しかし実際は、顧客満足度を軽視した結果、運営が破綻してしまう店舗を数多く見てきました。
本記事では、その“落とし穴”を具体的に掘り下げます。


在庫を持たない分だけ、顧客対応への責任が重くなる現実

「ネットショップをやってみたいけど、在庫を抱えるリスクは避けたい」
そんな方が真っ先に目をつけるのが、無在庫販売(ドロップシッピング)かもしれません。自分の代わりにメーカーや問屋が商品を直接発送してくれるから、在庫管理や発送作業の手間を大幅に省けるという魅力があります。

しかし、私はこれまでいろんな店舗の運営を見てきた中で、ドロップシッピングで大成功を収め続けている店は意外と少ないと感じています。その理由は、ほとんどが顧客対応の甘さに行き着くんです。

並大抵の努力では大きな売上を作ることはできません。


ドロップシッピングで起きがちなトラブル

  1. 商品知識が浅く、問い合わせに答えられない
    「どんな素材ですか?」「サイズは正確にどれくらい?」と質問されても、実物を見ていなかったり、仕入れ先の情報を鵜呑みにしているだけだと、回答があやふやに。

  2. 在庫管理の不備でキャンセル続出
    システム連携がしっかりしていないと、メーカーの在庫と自社販売ページの表示がズレて「在庫あり」だと思いきや在庫切れ…という悲劇がしょっちゅう起きる。

  3. トラブル時の責任の所在が不透明
    商品不良や配送ミスがあった際、どこまでが仕入れ先の落ち度で、どこからが販売者(自分)の責任なのかがグレーになりがち。
    お客様からすれば仕入先は関係ありません。お客様とあなたの取引です。

こうしたトラブルが起きると、結局お客様は「この店は対応が遅い」「何も知らないくせに売っている」と感じるわけです。ドロップシッピングは在庫リスクこそ低いものの、その代わりに顧客対応リスクが大きいとも言えます。


“手軽さ”を活かすために必要な努力

  • 仕入れ先と密に連絡を取り合う
    商品情報を正確に把握し、在庫変動を逐一確認。忙しくてもコミュニケーションを怠らない。

  • FAQや商品ページの充実
    メーカー情報をテンプレで貼るだけでなく、自分でわかりやすく整理してあげる。そうすることで問い合わせ件数自体も減る。

  • トラブル時の対応フローを明確化
    返品交換は誰が対応するのか、返送料はどちらが負担するのかなどをあらかじめ決めておく。お客様をたらい回しにしない工夫が必要。

雑な対応をしてクレームで低評価がつけば売上どころかモールからの評価も一気に下がってしまいます。ドロップシッピングに限らず、「楽に稼げるから始めた」と思われるEC事業者は長続きしないケースを何度も見てきました。
※一部のモールでは無在庫販売がNGのモールもあります


まとめ

在庫リスクがない代わりに“顧客リスク”が増える

私はドロップシッピング自体を否定するつもりはありません。実際、「在庫を持たずに多品目を扱える」ことは大きな強みですし、正しく運営すれば大いに成果を上げられるでしょう。ただ、その正しい運営には地道な努力と顧客目線が必須です。
お客様は仕入先から商品を購入するのではなく、”あなたから”商品を購入するのです。

次回以降では、具体的にどんな失敗談があり、どう修正していったかなども書きたいと思います。もし「在庫を持たずにECをやりたい」「ドロップシッピングに興味がある」という方がいれば、ぜひフォローしていただき、一緒に“顧客満足”を両立する探っていきましょう。

結局、顧客を無視した手軽さは、長期的な成功には結びつかないというのが私の実感です。

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