介護施設の種類

今回は、介護施設の種類についてお話をします。

介護施設の種類は多種多様ですが、運営元によって大きく2つに分けることができます。

介護施設を「民営」と「公営」の2つに分けて、介護施設の種類と内容を分かりやすくお伝えします。

施設を選ぶ際は、介護を受ける人の「介護の必要度」に準じた施設を選択することになります。

どのくらい介護が必要なのかは要介護度で判断します。

要介護度については前回の記事(要介護認定の申請方法)で紹介していますので、ぜひ見てみてください。

まず!民営の介護施設の種類は?

まずは、民営についてお伝えします。

民営施設とは、民間企業が運営している施設のことです。

最近では、福祉関係ではなく、全く違う職種の大手企業さんや

母体は別の建設系や住宅関係の会社だったり、どんどん増えています。

施設によって生活を援助するためのサービスが幅広く充実しており、提供されるサービスも価格帯も多種多様です。

その為、サービス内容と価格帯を見ながら選択できる点が特徴です。

民営施設の種類と特徴を以下にまとめてみました。

△は、施設によって受け入れ可能の場合と断わられる場合があることを指します。

認知症の受け入れは、可能でも施設ことで認知症の度合い(利用者様の状態)によっても変化しますのでご了承下さい。

民営施設の種類

<自立型>サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

介護度     自立~軽度

入居費用    必要

月額費用    10~50万円

認知症受け入れ △

看取り     △

<自立型>健康型有料老人ホーム

介護度     自立~軽度

入居時費用   △

月額費用    10~15万円

認知症受け入れ 不可

看取り     不可

<自立型>住宅型有料老人ホーム

介護度     自立~重度

入居時費用   △

月額費用    8~30万円

認知症受け入れ 可能

看取り     △

<自立型>介護付有料老人ホーム

介護度   自立~重度

入居時費用   △

月額費用    15~35万円

認知症受け入れ 可能

看取り     △

高齢者向け優良賃貸住宅

介護度    自立~軽度

入居時費用  必要

月額費用   5~10万円

認知症受け入れ △

看取り    不可

高齢者向け分譲マンション

介護度 自立~中等度

入居時費用 必要

月額費用 10~20万円

認知症受け入れ △

看取り     △

<介護型>サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

介護度 軽度~重度

入居時費用 必要

月額費用 15~50万円

認知症受け入れ 可能

看取り     △

<介護型>住宅型有料老人ホーム

介護度 軽度~重度

入居時費用  △

月額費用 10~30万円

認知症受け入れ 可能

看取り     △

<介護型>介護付有料老人ホーム

介護度    軽度~重度

入居時費用   △

月額費用  15~40万円

認知症受け入れ 可能

看取り     可能

グループホーム

介護度 要支援2~中等度

入居時費用  △

月額費用 12~18万円

認知症受け入れ 可能

看取り     不可

※月額費用はあくまで目安です

民営施設は、敷金や入居一時金など、入居時に費用が必要な施設が多いです。

入居時に費用がかからない民営施設もあります。

しかしながら、その分、月額費用が高額になることもあるので気をつけましょう

また、上記の月額費用はあくまで目安となります。

月額費用には家賃、光熱費、食費などが含まれるため、場所や設備によって大きく差があります。

月額費用のほかに管理費、介護費が必要になる場合もあります

さらに、医療費、散髪代、新聞代、おむつ代などは自己負担

となります。

高齢者向け施設

表に挙げた民営の内容をさらっと説明します。

まずは、まだ介護の必要のない人向けの施設です

<自立型>サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)


バリアフリー対応の集合住宅で、サ高住、またはサ付きとも呼ばれています。

日中は、医療・介護の有資格者が常駐し、安否確認と生活相談サービスを提供しています。

夜間は緊急通報システムを利用することができます。

自立型の場合は、介護が必要になると、外部の介護サービスと契約を結ぶのが一般的です。

●<自立型>有料老人ホーム(健康型、住宅型、介護付)

食事や家事のサポートに加え、ジムやプールなどの設備が充実している施設が多くあります。

介護が必要になった場合は、外部の介護サービスを利用するか、

「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている場合は、内部の介護スタッフから介護を受けることができます。

しかしながら、

「健康型」の場合は、退去の必要があります。


●高齢者向け優良賃貸住宅

60歳以上の高齢者を対象とした、バリアフリー化された賃貸住宅です。

公団や民間企業などが運営しており、高齢者専用賃貸住宅として都道府県が認定しています。

緊急時対応が受けられる住宅もあります。

●高齢者向け分譲マンション

高齢者向けの分譲住宅です。

プール、レストラン等の共用施設のほか、介護事業所を併設しているところもあります。

主に自立した生活を送れる高齢者を受け入れてます。

緊急時対応や生活サポートを提供してくれます。

次に介護が必要な高齢者向け施設

介護が必要な方向けの施設について内容をさらっと説明します。

●<介護型>サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

「特定施設入居者生活介護」の指定を受けている介護型の住宅には、

介護スタッフが24時間、看護師も日中常駐しています。

介護や医療ケアを受けながら、家で暮らすように生活できます。

●<介護型>有料老人ホーム

(住宅型、介護付)

食事のサービス、洗濯・清掃などの生活支援サービスを受けられます。

介護型有料老人ホームには「住宅型」と「介護付」の2種類があります。

それぞれ介護の受け方が変わります。

住宅型・・・介護が必要になった場合は、外部の介護サービス事業者と契約して

在宅介護サービスを受けることになります。

介護サービス事業所が同じ建物に併設されていることもあります。

介護付・・・介護が必要になると、24時間常駐する介護スタッフから食事や生活支援、

入浴や排せつなどの身体介護、リハビリサービスを受けられます。多くの施設で看取りまで対応しています。

●グループホーム

認知症の人が少人数で共同生活をする地域密着型の施設です。

65歳以上で、要支援2以上、同地域内に住民票がある人が対象となります。

家庭的な環境のもと、入浴や排せつ、食事等の日常生活の世話や機能訓練が受けられます。

公営介護施設の種類は?

公営の介護施設とは、社会福祉法人や医療法人が運営しているものを指します。

民間運営の施設と異なり、公営の介護施設は国の補助金を受けているため、費用が安くなる点が特徴です。

公営施設の種類と特徴を以下にまとめました。

<自立型>ケアハウス

(軽費老人ホーム)

介護度     自立~中等度

入居時費用   △

月額費用    6~15万円

認知症受け入れ △

看取り     不可

<介護型>ケアハウス

(軽費老人ホーム)

介護度     軽度~重度

入居時費用   △

月額費用    8~20万円

認知症受け入れ 可能

看取り     可能

特別養護老人ホーム

介護度     要介護3~5(特例介護1・2含む)

入居時費用   なし

月額費用    5~15万円

認知症受け入れ 可能

看取り     可能

介護老人保健施設

介護度     要介護1~5

入居時費用   なし

月額費用    6~17万円

認知症受け入れ 可能

看取り     △

介護医療院

(介護療養型医療施設)

介護度     要介護1~5

入居時費用   なし

月額費用    6~17万円

認知症受け入れ 可能

看取り     可能

介護の必要の無い方の高齢者施設

公営施設にも介護の必要の無い方の為の施設があります。以下、それぞれの違いを見ていきましょう。

●<自立型>ケアハウス

(軽費老人ホーム)

独立して暮らすことに不安がある高齢者が食事のサポートや安否確認をしてもらえる公的な施設です。

低額な費用で基本的な生活サービスを受けることができます。

ただし、自立型のケアハウスには、介護サービスが付いていません。

そのため、介護が必要になった場合は外部の介護サービスと契約するか退去する必要があります。

介護が必要になった方高齢者の方の施設

次に介護が必要な人向けの公営施設を説明します。

<介護型>ケアハウス

(軽費老人ホーム)

ケアハウスは、先述の通り、低額な費用で食事のサポートや安否確認などの基本的な生活サービスを受けられる公的な施設です。「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた介護型のケアハウスは、24時間介護スタッフが常駐し、食事や入浴、排せつ、機能訓練などの介護サービスが提供されます。

●特別養護老人ホーム

介護を常に必要とする、中重度の要介護高齢者向けの施設です。

公営施設のため、民営に比べて費用は安く、看取りまでを行ってくれます。

介護スタッフは24時間常駐しており、最期まで介護を受けることが可能です。

●介護老人保健施設

在宅への復帰を目指して心身の機能回復訓練をおこなう施設です。

医師による医学的な管理のもと看護・介護が提供され、さらに専門職によるリハビリが受けられます。

在宅復帰を目指す施設のため、入居期間は3~6か月程度とされています。

●介護医療院(介護療養型医療施設)

たん吸引、経鼻経管栄養といった医療的ケアが必要な人向けの施設です。

病院に併設されていることが多いため、万が一症状が重症化した際は、病院が受け入れる体制になっています。

医療と共に食事、トイレ、入浴の介助などの介護、そして看取りまでを行ってくれます。

施設の特徴を把握して状況に合った施設を選ぼう

ここまで見てきたように、介護施設の種類は数多くあります。

聞き慣れない種類の施設もあったかと思います。

1つの施設の中で複合されている所もありますので、施設選びは、慎重に!

表で見比べると、どんな種類があり、どんな違いがあるのかを把握しやすいのではないでしょうか?
介護サービスの提供方法や利用期間、介護をされる方の状態によって、また初期費用など、優先したい項目を備えた施設がどれなのかが理解できると、施設を選びやすくなります。

☆最後に私の想い☆

私は、これまで、病院に併設されていた介護療養型医療施設に始まり、特別養護老人ホーム、軽費老人ホーム(ケアハウス(自立)(介護型))と経験をしてきました。

統一して言えることは、施設にいる間は、一人の方を施設で生活を支え、支援すること、介護をさせていただくことです。

利用者様は、色んな理由があって施設に入ってこられます。

例えば、夫婦で一緒に残りの人生を過ごしたいと言って入ってこられる方や身内や家族に迷惑かけたくないと言って入ってくる方、逆に独身や、夫妻のどちらかが先に亡くなられて今後の不安を思って入ってくる方等様々な理由があります。

しかしながら、私たちが、介護する時は、この人は過去何があったからどうとかこうとかは関係ありません。

もちろん、その方に合わせて、言葉とかを変えたりはしてます。

過去、嫁いびりや家族に厳しかったとか、専業主婦からバリバリに働いていた女性だったり、仕事が会社の社長だったとか、役員まで務めたとかありますが、職業も一切関係なく、施設では、一人のとして平等です。

もちろん、会話で過去の話など話すことはありますが、利用者様は、残りの人生を施設で暮らそうと入ってこられました。

それは事実です。

今、利用者様は懸命に「今、現在」を生きてらっしゃいます

それを、私は、一人一人利用者様の限られた時間や人生の中の1コマに携われる有り難さを感謝しながら、

時には、人生の先輩(高齢者の方)から色んな事教わりながら、

携わった利用者様から少しでも「良かったよ。ありがとう、あの職員さん良かったな」とか

思っていただけたらと想いながら日々介護をしています。

身内や介護で困ったことや悩みがある方は、連絡いただければ幸いです!
力になります!

長文読んでいただきあがとうございました!

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