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Weekly Quest 2022年1月17日号


毎週月曜日にWeekly Questと称し旬な話題を深く掘り下げて投資のヒントにしていければと思います。


株価に影響をあたえるもの


今月は株価に影響をあたえるものと題して考えていきたいと思いますが、今回は
バリュー株とグロース株という考え方について書いていきたいと思います。


・バリューとグロース

アメリカの政策金利引き上げが予想され始めおそらく今年の3月あたりに1回目の引き上げが行われるだろうと言われています。これにともない投資尺度として「グロース株からバリュー株へ物色対象が移行する」と言われ始めましたが、この「グロース、バリュー」って一体何なのかということなんです。検索すると概ね以下のような説明がなされています。

バリュー株・・・割安に放置されている銘柄
グロース株・・・高い成長力が見込まれる銘柄


バリュー株は配当やPERなどを見て割安な銘柄でグロース株は主にNasdaq市場に上場しているような新興企業なんだそうです。これを見てなんだかおかしいと思いませんか?

以前も指摘しましたが、PERという尺度をバリュー株には適用してグロース株では使わないとか摩訶不思議な説明もあります。投資尺度を使い分けるというのはどういうことなんでしょうか?モノを測る時は目盛りの大きさが同じ定規を使うのが当たり前です。PERが今期3000倍でも来期のPERが50倍になる例だっていくらでもあります。これは割高であるといえるのでしょうか?

金利の上昇局面では「グロースよりバリューだ」そうですが、いままでにも金利上昇局面は何度もありましたが、AppleやGoogle、Amazonの株価はどうなったでしょうか?突然これらの銘柄がバリュー株に変異したのでしょうか?さらにバイオテクノロジー関連銘柄はどちらに属することになるのでしょうか?

これはアメリカの証券会社が自分達で投資のテーマを作って商売をするために勝手に言い始めたものなんです。だからなんの意味もありません。そもそも「割安に放置されている銘柄」ってなんなんでしょうか笑?笑止千万とはこのこと。

最初は割安株と呼称して推奨し株価がPERなどで説明がつかなくなるとさらにいろいろな指標が作られました。EVレシオEVITDAレシオなどと言い出して割安感を作り出して買わせるんです。そしてどの指標でも買えないレベルまできたからグロースの次はバリュー株だと矛先を変えるわけです。そしていよいよ米国内では投資先が見つからなくなってきたら今度は「新興国だ」というわけですよ笑。そもそも新興国の株はグロース銘柄とは言いません。

そういう理由から金利が上昇するからと言ってIT関連に悲観することもないと思います。このIT関連に限ってはあくまで商品やサービスの需要が今後どのように変化していくのかを捉えるのが重要なポイントです。ただ金利が上昇するからと言ってIT投資を控える企業なんていまどきあるんですか?という話。

ということで上面だけをとらえたおかしな考え方に惑わされずに、今まで通り「今後の成長性が見込まれる」のはどういう分野なのか?を考えてタイミングを見て投資していけば良いだけです。

株価に影響を与えるのは、当たり前ですが「業績の今後の成長性」です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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