no title2
「あっつい!」
真夏かと間違えるくらいの蒸し暑さ。その熱が、じりじりと私の全身を焼く。頬が真っ赤になると同時に、私が手に持っているソフトクリームが同じ速度で溶けていく。
「ほら、べとべとじゃん、早くしないと汚れるよ」
「もう汚れてるし、いいもん」
にやりと彼が笑う。彼のこの余裕のない表情がすごく好きだ。この顔がもっと見たい。が、今の私には、この今にも私の手に滑り落ちてきそうな真っ白いソフトクリームをどうしてやろうか、その方が先だ。液状になったソフトクリームが私の手につこうとし