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ノイズキャンセリング

そこらじゅうを飛び回る愚痴や不満、どうでもいい人の声や雑音を遮断するために、イヤホンをつける。
ノイズキャンセリングにより、一人の世界に入る。そこは音楽が唯一の友達状態。
だけどその世界はいつもひとりぼっち。
あー、ひとりだな。
「心の中には誰かいる。」とエッセイによく書いているが、見渡すと触れられる距離には誰もいないことに気づいたりする。

心が少し痛むような音がした。
自分という人間の音がする。
どんなことをしても、自分自身のことが遮断できない。たまに、自分という人間を感じることが嫌になる。
良い意味か悪い意味かは、どうでもいいけれど思う。あーあ、ひとりだな。

古い洋楽を流す。空間に広がるエレキギターが心地いい。ピアノはジャズのバーにありそうなアップライトかなと想像する。ライドシンバルが気持ちいい。ベースが綺麗にルートをなぞっている。そして、ボーカルが最後の装飾を施す。イヤホンの中で60年代後半にタイムスリップする。この時代独特の音に味がある。なんだかこのまま、タイムズスクエアのど真ん中を歩いてみたい。
この音楽とともに人生を泳ぐノイズなんて遮断して、知り合いなんて1人もいない夜の街を大股で歩きたい。

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いつも読んでいただきありがとうございます!☺️