秋の舞い降りる落ち葉の旋律…和音でモアレを作ってみよう
あかねです。
作曲家のために、ピアノの書法に関するアイデアを紹介してます。
今回は「コラール、そして一瞬の閃光」という小作品を用意しました。分析を通じて理論を体得していきましょう♪
和音のモアレ現象
鍵盤上のある組織を半音ずつ一方向に移高することを繰り返すと、12回で元の音名に戻ってきます。
一方、白鍵上の組織の平行和音は、7回で元の音名に戻ってきます。
また、7の和音の種々の展開形を順にとると、4回で元の音名に戻ってきます。…
上記のような、n回の操作で1オクターブ移高されて元の音名に戻る組織をa(n)とします。
a(n)の下方にa(m)を付加します。
n<mの時、これを下方に移行し続けると、a(n)とa(m)の音域は次第に縮小し、交差します。
この時現れる、a(n)とa(m)の和音の組み合わせの総数は、nとmの最小公倍数と等しくなります。
よってnとmが互いに素の時、最も多様な和音が生み出されます。
実作品への応用
ここにグレゴリオ聖歌風のコラール旋律があります。Eのフリギア旋法で、構成は二部形式です。
この各音を、ドビュッシーらが愛用した白鍵上の6の平行和音に置換します。a(7)
更にその下方に、遠隔調Asの和音の種々の転回形を付加します。a(7)+a(3)
コラールの楽句の区切れ目には、通常フェルマータが配置されます。これを終止定型xに置換します。
↓終止定型x
終止定型xは、遠隔調Esの短七の和音の種々の展開形の下方に、白鍵上の56の平行和音を付加したものです。a(4)+a(7)
コラールと対照的な要素として、Asdurの光の洪水が与えられます。
右手は最高音域から始まり、長三和音の種々の展開形を奏でます。a(3)
左手はその下方に、6度音程でAsdurの音階を付加します。a(3)+a(7)
和音の隙間を縫うように音階が奏され、非常に輝かしい効果が生まれます。
2つの組織は落ち葉が舞うように落下し、やがて低音域で交差してffに達した後、時間が逆行して上方に収束します。
その後コラールが再来し、単純な3部形式を形成します。
コーダでは、一瞬の光の後、終止定型xの平手打ちが奏されます。
コラール、そして一瞬の閃光
1▼
2▼
3▼
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?