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この作品が観たくて行ってきた!『ハニワと土偶の近代』展(東京国立近代美術館)
ビジュアルマーケター&ピンタレストスペシャリストのかぜあかねです。
昔、学芸員をやっていたので、展覧会レポをたまにお届けしています。
本日は、ハニワを観たくて行ったのではなく、ハニワが近代にどのように影響を与えたのかを知りたくて行った展覧会レポです。
序章 好古と考古
この作品はミノムシみたいに生涯生活用具一式をかついで全国を放浪し、発掘、収集していた蓑虫山人の作品。
漫画みたいで可愛らしい。いやむしろ、宇宙人の集合体みたいに見えます。
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こちらは河鍋暁斎のハニワ作りの想像図。 野見宿禰は「日本書紀」に登場するハニワ作りの土器臣の祖と伝わる人物。手前のハニワのように二本足で立っているのは珍しいらしい。
ハニワは下部を埋めて立たせるため、円筒状だからです。
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いや、これが観たくて行ったわけではないのです…。
実は、久々に見ることができるとチラシで知った岡本太郎さんの作品!
これが観たかったのです!
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この作品はお父さんの一平さんの墓石にもなっている。(頭の部分にお線香、腕にお花が生けられる)。
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そして、1952年には、太郎さん自ら、この作品を花瓶に見立て、ストッキンングのいけばなを生けて、草月流展に出品。故・養女敏子さんのお話によれば、太郎さんは戦後、女性とストッキングは強くなったということを表現したと聞きました。花の代わりにカラーストッキングを生けたとのこと。
敏子さんのお話によれば、岡本太郎さんはこの作品を作成するときに、中を空洞にせずに焼き締めたため、爆発したとのこと。(本当に芸術が爆発した!)
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あとは小さな<犬の植木鉢>も可愛らしい。こちらの作品は青山の岡本太郎記念館の庭で花が植えてあるものも見ることができるのです。
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岡本太郎さんの<犬の植木鉢>に花を生けられたところを見たことがあるので、その作品に出会えて嬉しい。この作品にも会いにきたのでした。
「伝統を」を掘り起こすコーナー
第二章の「ハニワと土偶の近代」展の展示で好きなコーナー。ハニワっぽい作品がずらり。
きっとハニワに影響を受けたに違いない。
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ここには、観たかったイサム・ノグチさんの<カブト>も!(写真撮影禁止だったので、個としては撮影できなかったのですが、全体図として撮影できたので、一番左の作品です。)
安原喜明さんの<焼締花器>は>は本当にハニワそのもの。
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最後の写真は草月流創始者・勅使河原蒼風さんの<クビ>と<ミコ>。信じられる?この作品も勅使河原蒼風に言わせれば、いけばなだなんて。私には彫刻にしか見えませんでした。
勅使河原蒼風さんはこのコーナーの作家のイサム・ノグチさん、宇野三吾さん、安原さん、岡部嶺男さん、岡本太郎さんと深く関わり、作品を積極的にコレクションしていたパトロン的存在。
いけばな作家として著名だったが、アートの世界でもその名を広めた。いや、いけばなをアートにした人である。
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常設展でのお気に入りも
企画展のその後には必ず常設展へ。いつものあの作品があるかチェック!
もちろん、サム・フランシスさんの<無題の両翼画>。
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前述の勅使河原蒼風さんはサム・フランシスの作品もコレクションしていました。なんといっても、芸術のメッカだった草月ホールの壁画にサム・フランシスの壁画「トーキョウミューラル」を所蔵していました。(現在はアメリカへの美術館が所蔵)。
別の部屋に出光真子さんのビデオ作品も。(このお二人はご夫婦だった時期も!)
常設展を全て見るとぐったりするので、眺めのいい部屋から皇居を見て休息。ここは一番好きな場所。
出光美術館からは高いところから皇居を見下ろせるけれど、近美からはいい高さの公共を見ることもできて、いつまでも過ごすことができそう。
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ミュージアムショップも楽しい
ミュージアムショップでお買い物も楽しいです。今回の「埴輪と土偶の近代」展(東京国立近代美術館)で絶対ハニワっぽいものを買おうと思ったので、鳥の形のハニワ(小さな可愛らしい音がする鈴)とハニワを模した靴下を購入。
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岡本太郎さんの作品のガチャもやり、見事に「犬の植木鉢」をゲット。
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意外にも万年筆の筆先を洗って、立てかけておくのに重宝しています。
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ハニワ自体はあまり展示されていなかったので、一緒に行った夫はちょっとがっくりしていましたが、私は会いたかった作品に会えたのと、展示されていると知らなかったけれどみたかった作品がたくさんあって、大満足な展覧会でした。
それにしても、やっぱり岡本太郎さんの作品って可愛らしい。ハニワも可愛らしい。
次は東京国立博物館の「ハニワ」展に行きます!
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