絵本『あ あ』に書いた作者のことば
「あ」「あ」
高く積み上がった孤独から 解き放たれたのは
すべって転んでぶつかって崩れ落ちて 散々な出会いから
光、風、水、空、人間の力の及ばないものに導かれて 出会った
今この距離感が少しでも揺らいだら 消えてしまうと お互いわかってる
ここだけにしかない くすぐったくてささやかなうれしさを 密やかに分かち合う
同じように"誰も登ったことのない山"を登ってきた人と人だけ 目が合う
だからきっと そこにいるとみつけた ここにいると みつけられた
眩しすぎて 一緒に居る今はつかのまだと知ってるから
さらに待ち受けるよろこびの瞬間へと行こう
この同じ空を飛んでいるという“今”
そんな一瞬のきらめきを
つかめないものを
追いかける
いつかきっと
「あ」とみつける
「あ」とみつけられる