核心
まだ言葉にできる事象は大したことではない。言葉にできないよくわからない自分にとって圧倒的な衝撃が今どかんとキテいる。現実的なことはまだ何が起こっているかわかるのでなんとかなる。でもそれは言葉にならないから誰にも言えない。秘密なわけではなく自分でもなんなのかわからない。それがずっと私の核心を占めている。
私は死んだように生きていた、というか“生きているのにほとんど死んでいるも同然だった”時期があり、それとつながっている。今でもそうなのかもしれない。自分の本当の死すらまだ確かだから怖くない。かなしくない。
私が解かれるのは、たぶんあるふたつのことで、かたちのない目に見えない一瞬のことで、そのために生きている。その切実さはきっとつくるものにも反映されている。すべてを込みにすると、表象されているものだけを見ても誰も私を羨むことはないと思う。