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シスターに怒られた話

ぼくが入学した小学校は私立のカトリック系でした。
先生方の半分くらいはシスターでした。

カトリック系の小学校だと
《道徳》の代わりに《宗教》の時間がありました。
聖書の勉強です。

さらに信者の子だけを放課後集めて
《聖書》の課外授業がありました。
信者の子は学年に関係なく参加させられたんですけど
どういうわけかウチからはぼくだけで
兄と弟は参加しなくてすんでました。
何でだろ?

ぼくの学年は,ぼくとヒロキ君の2人です。
授業の内容は覚えていませんが
なんでぼく達,遊びたいのにこんなことしなくちゃいけないんだろ?
といつも思ってました。

4年生の時だったと思います。
4年生が5時間授業で
6年生が6時間授業。
ぼくたちは1時間遊べないまま
6校時が終わるまで
手持無沙汰でしょうもない話をでもして
自分たちの教室で過ごしていました。

チャイムが鳴ったので『宗教の教室』に行きました。
そこには先生のシスターがいました。

「もうすぐ6年生が来るから待っててね。」
シスターが言ったと思います。

ところがなかなか6年生は来ません。
「ちょっと呼んできて。」
シスターはぼくらに言いました。
ぼくらは
え~,
と顔を見合わせました。

4年生が6年生の教室に行くなんてプレッシャーです。
でも仕方ないから6年生の教室に行きました。

6年生の教室をのぞくと
まだホームルームみたいなことをしていました。
ぼくとヒロキくんは
「どうしよう?」
二人で顔を見合わせました。
「まだ終わらないんだから仕方ないよ。戻ろう。」
とどっちかが言って,宗教の教室に戻りました。

宗教の教室の近くまで来たら
「でも,シスターには呼んできてって言われたから,ぼく達だけ戻れないよ。」
とどっちかが言って,また6年生の教室に戻りました。
そしたらまだ先生のお話が続いているようでした。
え~?

ぼくらは困ってしまいました。

どうしよう? どうしよう? 
行ったり来たり,行ったり来たり

仕方ないから宗教の教室に行って,
シスターにまだホームルーム中でしたって言おうよ。
と,どっちかが言いました。

宗教の部屋に戻ったら,もうそこに6年生がいました。
シスターはぼく達を見るなり
「あなたたち,どこへ行ってたの? 遊んでたんでしょ!」
と怒りました。

え,ぼくたちは驚きました。
『6年生を呼びに行ったらまだホームルーム中だったので…。』
とか弁解もしなかったです。
というか弁解する暇もなかったと思います。

怒られて,とっても悔しかったです。
訳とか聞いてくれなくてとっても悲しかったです。

宗教っていったって,
カトリックっていったって,
シスターっていったってそんなもんなんだ。

と思いました。

ぼくもヒロキ君も
宗教の時間が嫌いでした。


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