【発達障害】新小学1年生のための自立にむけた環境づくり
小学生といえば、自分で学校の準備をして、自分でランドセルを背負って学校へ行くという光景をなんとなく想像します。
私には新小学2年生になる息子がいます。
とても素直で明るく良い子なんですが、一方で
多動、注意散漫、衝動的、コミュニケーションを取るのが苦手、癇癪…
日々の生活で困ることは挙げ出したらきりがありません。
(ADHDとASDの診断あり)
放っておけば、明日のことは考えずに衝動的にやりたいことをやりまくるし、準備をしてと言っても、途中で他のことが気になって忘れてしまったり、口出しをすると癇癪を起こしていまったり…
「自分でやる」とは程遠い世界です。
ですが、「障害だから」とあきらめず、なるべく自分で生活できるように環境を整えてるよう意識しています。
主に小学校に入学してから今にいたるまでの約1年間、自立に向けて思考錯誤した結果、うまくいった環境作りを紹介したいと思います。
発達障害あるなしに関わらず、新1年生にはきっと役に立つと思います!
朝のお支度
困りごと
次の行動を言ってあげないとすぐに遊び出す。
朝起きてから、学校に行くまでにやらなければならない「朝ごはん、歯磨き、お着替え」などをまとめて我が家では「朝のお支度」と呼んでいます。
朝のお支度が全くできないわけではありませんでした。ふらーっと遊び出してしまったら「あと、歯磨きとお着替え残ってるよ!」なんて声をかけてあげると「あ!」っと思い出したように、お支度を再開していました。
正直「小学生なんて、こんなもんか」と思いながらも、「ADHDっ子にはチェックリストが有効!」とよく言うので、試してみることに。
結果
朝のお支度をチェックリストとして、マグネットボードに張り出しておくようにしました。たったこれだけですが、朝のお支度で親から声かけをする回数がグッと減りました。
先日、大学病院で発達外来を受診できたのですが、大学病院の先生からも生活の中にチェックリストを取り入れることをアドバイスしていただきました。
「今からチェックリストをこなしていくことを習慣化しておきましょう。ADHDの人はチェックリストと長い付き合いになります。将来的には自分でチェックリストを作成して、自分でこなしていくことを目指します」とのお言葉でした。
「将来的にはチェックリストを自分で作る」この考えは目から鱗でした。
「声掛けの回数が減った」という現在の結果ももちろん嬉しいですが、チェックリストをこなしていく訓練が息子の将来にも役立つという点からも、導入してよかった!と心から思っています。
夜のお支度
困りごと
全てを後回しにしすぎる!予定崩壊!
学童から帰ってきてから寝るまでの間にやらなければいけない「食事、歯磨き、お風呂、宿題、明日の学校の準備」これらのことを我が家では「夜のお支度」と呼んでいます。
朝のお支度はチェックリストを導入することで、次にやることが本人の中で明確になり、声かけの回数がだいぶ減りました。チェックリストを夜のお支度にも導入しましたが、効果はイマイチ。
やることはわかっているのですが、やることよりもゲームをやりたい!の気持ちが優ってしまい、全てを「後回し」にして遊んでしまうのです🥲
話合いチャレンジ
👩「あとお風呂と歯磨きと宿題が残ってるけど何時から夜のお支度するの?」
👶「9時からやるよ」
👩「いや、お風呂に30分、宿題に30分、歯磨きに5分かかるとして、9時からお支度始めても、お布団入るのは10時すぎて、さらにそっから…(クドクドクドクド)」
(息子飽きてもう聞いていない。手元のおもちゃで遊び再開)
なんてことになってしいます。
時間はことばで説明しづらい。視覚的に表したい。
対策
時間を視覚で表すといえば
「ガントチャート」
ガントチャートのように棒グラフで時間を表して、視覚的に直感的に時間を理解してもいらいました。
帰ってきたら、予定を自分で立ててもらい、こなして行ってもらいます。
遊びの時間をもっととりたくなった場合、タスクを後ろにずらすこともできますが、9:30の布団に入る時間が決まっており、どこまで後ろ倒しにできるかも直感的にわかります。
ときにこちらも交渉しながら(晩御飯は6:00に間に合わないから後ろにずらしてー😭など)予定をこなしていっています。
結果
まだまだ声かけはいるものの、「ほら、予定表見てみ」と言うと、納得して夜のお支度を始めることが多くなりました。
納得できない場合もタスクを後ろにずらしたり、順番を変えたりしながら9:30に寝るにはどうすればいいか考えて予定を組み変えています。
また、私自身も予定表を確認することで「そろそろ晩御飯つくりださないと、寝る時間に間に合わない😅」と直感的にわかるようになりました。
考察
たとえば晩御飯を食べるのには大体30分くらいかかると思います。「9時に食べ始めたら、9時半ころに食べ終わる」と考えますが、息子の場合「9時という瞬間にご飯を食べる」という感じでタスクに要する時間を点で捉えているような感じがしました。
ガントチャートのようにタスクにかかる時間を「幅」で表すことで、時間の厚みを理解できるようになりました。
また、自分で予定を後ろにずらす、というのも視覚的にわかってgoodでした。
確証はありませんが、「嫌なことをその場で拒否しても、そのタスクがなくなるわけではなく、後ろに回されるだけだ」というのもあまり理解できてなかったように感じます。息子はそのときそのときの点で生きており、前後の因果関係を感じ取ることが苦手なのです。
予定を可視化してそれを自分で操作することによって、「自分で後ろ回しにした結果、今、やらなくてはならない」という因果関係も理解できるようになったような気がします。
1ヶ月の予定表
困りごと
1年間続けた習い事の曜日を把握してなかった!そりゃ毎回ギャーっとなる訳だ
毎週、水曜日と土曜日は学研で、年長のときから1年以上通っています。
プリント学習が得意で、学研の内容自体は本人も気に入っているのですが、それと切り替えがうまくいくかは別の話。
水曜日に学研の送迎のために学童に早めに迎えに行くと睨まれ、土曜日に家で「そろそろ学研の時間だよ」と声をかけると「ギャー!」っと怒られます😂
そんな彼を毎回説得して学研に連れて行くわけですが、
ある日、会話の流れは忘れてしまったのですが「息子氏は水曜日と土曜日が学研だよね〜」なんて話していると
「え?そうなの?」との返答が🫢
え!?通って1年経つのに曜日を理解していなかった!!
いや、曜日の概念自体はあるはずなのに、(時間割ちゃんと合わせられるし)
その曜日と学研が結びついてなかった😂
まさかわかってないとは思ってなかったので、出発1時間前に「今日学研だよー」と言うことが多く、彼にとっては毎回寝耳に水だったのでは!?こりゃいかん!と思い、1ヶ月間の予定カレンダーを作成しました。
カレンダーに用意したシールをいっしょにペタペタ貼って予定を確認という作業を月初に行うようにしました。
結果
学研だよ!のセリフで「ギャー」となることは少なくなりました!
あらかじめわかっているので、むしろ向こうから「今日学研だよ」なーんて声かけられることも🤣
考察
この「いっしょに予定シールを貼って行く」という過程も大事なのではないのでしょうか?
親が予定表を作って「はい、これが今月の予定!」と一方的に渡しても、全体の予定を掴むのは難しかったかもしれません。
いっしょに確認しながら、「火曜日には療育のシールを貼って、水曜日は学童行ってから学研で…」なんて声を出しながらペタペタ1枚ずつ貼っていくと同時に自分の中に予定を落とし込んでいく、いわゆる「儀式」が良い効果をもたらしたのかもしれません
(当初、このような狙いは全くなくただ、書き込むのがめんどくさい時短のためにシールを作成しましたが、「ぼくもやりたーい」と言われ一緒に張るようになりました)
このように手探りではありますが、息子の心に負担がないような環境を整えていっています。まとめていて感じたのが、「予定を視覚化する」というのがポイントだったのではと思います。
よければぜひ生活に取り入れてみてください!