おすそわけ日記 59 「昼は空港、夜は花札」

子供の頃からの友人達と、羽田空港で会う。ヴィーガンカフェでモンブランを食べたら、あまりのあっさり具合に静かに驚く。

私が鬱真っ盛りで申し訳ないなぁと思うが、残り二名が、楽しそうに歌いながら身体を左右に揺らしていたので、プラマイゼロと判断。一応、ツッコミは入れておいたが、この立ち位置は何十年経っても変わらないのか。まぁ、いかなる時も繕わなくていいのは、本当に有難い。

今日はお茶した分、母との花札に勝たんといかんと意気込んだが、そこまでは到底無理で。

母、花札を始める前は、向いに座った私越しに窓の方を見遣り、「そろそろ恩返しを終えて山に戻ってもいいかなぁ。」と思案中の鶴のような表情をしていた。負けが込むに連れて、目が開いて口角が締まり、「もう恩返しは充分!」と云った程になり、最終的には「里に下りてこなければよかった…。」位に虚ろな顔をしていた。

ちなみに私は、勝つと「ケーッケッケッケ!」と奇声を発し、母に妖怪認定されている。

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大橋 あかね
毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。