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akaneおすそわけ郵便 第二十四回「ナソナとイソニ劇場〜狭いながらも〜」

ナソナこと、母、七十七歳。生粋のおとぼけ。
イソニこと、私、五十二歳。ボケとツッコミの二刀流。そんな二人が繰り広げる、愛と笑いとちょっぴり心配も詰まった日常を描いた「ナソナとイソニ劇場」が、ここに開幕!

母と一緒に湯に浸かって、しみじみする。

と言っても、温泉に行った訳ではない。我が家の湯船で。

この話をすると驚かれるけど、いやいや、一緒に入るメリットは多い。

一、母娘で肌の触れ合いが出来る。

二、お互いに背中を流し合える。

三、話をしていると、長く湯に浸かれる。

四、二人で入ると、少ない湯量で肩まで浸かれる。

五、交代で入るより、お風呂に使う時間が短くなる。

この五つの中で、一から三までを主な理由として掲げていて、年老いた母娘の愛のコミュニケーションと云う印象を受けられるのが好ましい。

その実、必要に迫られて、四、五の方が主たる理由だったりするのだけれど。

昨夜、母に背中を流して貰った時に、母の手から伝わってくる優しい愛情を感じて、心が温かく緩んだ。

私が母の背中を流している時は、出来るだけ広範囲に漏らす所なく、気持ちを込めてと思って触れていた。

私は、四十代後半でアロマセラピストの資格を取ったものの、最近は、ファシリテーターの仕事の方に絞っていて、トリートメントを休んでいる。

でも、こうやって、久方ぶりに母の肌と触れ合うと、やっぱり身近で大切な人へのタッチはいいなぁと思う。言葉では伝えきれない想いが、手から肌にこぼれ落ちるような感覚がある。

そんな感動のまま、母の愛情に感謝した。

「お母さん、優しく触れてくれるようになったよね。昔は、ごしごし力を入れて背中をこすってたのにね。」

「それは、年取って、力が入らなくなったからじゃない?」

母、元も子もなし。

私の感動を返して。


【今日の一枚】「ナソナとイソニ劇場」だけ、母と私の写真をおすそわけすることにしました。まだ愛情が有り余っている時の一枚です。

【akaneおすそわけ郵便】は、大橋あかねが三十年以上かけて集めたポストカードに、自分の日常や愛するモノについてなど、その日の気分で書きたいことを書いて郵送でお届けすると云う企画です。こちらは、そのnote 版。今日もおつきあい頂いて、ありがとうございます。

(C)akane ohashi 2019, 2020

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大橋 あかね
毎日、書く歓びを感じていたい、書き続ける自分を信じていたいと願っています。