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物書きオタクの、フリーソフト「威沙」「メディバンペイント」で作る同人誌本文

趣味で小説をたくさん書いていると、「本が作りたい!!」と思い始めました。
とはいえ、私の手元にはメジャーなソフトであるMicrosoft Wordはなく、
何度も同人誌を作り続けるかわからないのに、そこに投資するのは……
と考えてしまい……。
色々調べた結果、無料ソフト「威沙」と「メディバンペイント」を使って小説同人誌の本文を作成しました。

ここで作るものは、用意されているフォーマットそのまま使って作った小説本文とちょっとこだわった中表紙・目次・奥付です。何でもいいから本文をPDFで出力したい!という人は、「威沙」で全部できます。

誰かの役に立てば幸いです。


「威沙」とは

文庫本作成ツールです。
フリーソフトなのに至れり尽くせりで、大好きなツールです。


なぜ「威沙」にしたのか

とても丁寧に使用方法を解説していらっしゃる方がいて、「私も使えそう!」と思ったからです。あと、「威沙」は設定のカスタマイズもできるのが魅力的でした。私は色々いじって自分好みにするのが好きなんですよね~

↑私はこれで威沙さんと仲良くなりました。

ちなみに「威沙」はWeb版PC版があります。どちらも使い方はそれほど変わらないはずです。込み入ったこと、例えば挿絵をたくさん入れるとか、絶対使いたいフォントがWeb版にはない、などなければ、Web版でもいいと思います。
私はいずれ設定をいじろうと考えてる人間なので、PC版でやっています。

作りたいもの

A6(文庫)サイズの小説同人誌の本文データ
内容は、いくつかお話が収録される短編集

この記事での本文データとは、「小説本文」「中表紙」「目次」「奥付」を差します。
小説本文は「威沙」で作ります。
中表紙・目次・奥付は、ちょっとこだわりたいので、別途「メディバンペイント」で作成します。

ちなみに、「威沙」で中表紙・目次・奥付も出力可能です。とにかく入稿できるPDFデータが欲しい!なら「威沙」だけでOKです。

本文制作の大まかな手順

ここでの「威沙」の使用方法は、PC版を使った場合の方法を書いています。

1.小説本文を作成する

これがなければ始まらない!!なのに一番時間がかかる部分!!
とにかく本文を仕上げます。

ただし、仕上がっていなくとも次に記載するプロファイルやフォントは事前に選定できるので、できる作業からちょっとずつ進めてみるのもおすすめです。
私は完成イメージが湧き「絶対この本を作る!!」と自分を思わすために、テンプレートやフォントを先行して選んでました。

2.「威沙」のプロファイルを選ぶ

「威沙」には余白やページ片側にあるタイトル位置などの設定が入っているプロファイルがいくつも準備されています。
サイズさえ間違いなければ、どれを選んでも問題ないと思います。

私は「一迅社文庫」のプロファイルを利用しています。
最近、このアプリのプロファイルに修正が入って、さらにいい感じのレイアウトになった気がしています。(小並感)

3.フォントを選ぶ

本文やページ番号のフォントを選びます。
私は♡喘ぎの小説を書くので、♡が表示できて、なんだかエッチな見た目のフォントがいいな~と思って(?)いくつか無料フォントを見比べた結果、本文は「源暎こぶり明朝」を使用しています。

ページ番号やタイトルは特にこだわりがなく、見やすければいいという考えなので、初期設定の「IPA Aex明朝」のまま使用しています。

サイズは初期設定の8.5ptのまま使用しています。
多くの商業文庫のフォントサイズが8.5ptぐらいだそうなので、問題ないかと。

商業文庫でも9.0ptの本も出てきているそうですし、児童書とか年齢層高めの本を出すなら、大き目のサイズが喜ばれたりするかもしれません。好みとか方向性によって変えたらいいと思います。


4.tnfファイルの作成

できた小説本文をメモ帳などに貼り付けて、テキストファイル(.txt)にして保存します。
これを「威沙」に読み込ませ、tnfファイルを出力します。

私は短編集を作っているのですが、こだわりがあって。

  • 各話の冒頭は、章タイトルが書かれた扉(左ページにタイトルだけがあるページ)を用意したい

  • 扉の上の柱(ページ番号横の部分)に章タイトルは載せたくない
    ※カッコ悪いと思っているから(個人の意見)

これを実現するために、tnfファイルをメモ帳などのエディタで開いて、本文中の各話冒頭のタグを書き直します。

<!--ページ上にタイトルを表示しない-->
<page_title></page_title>
<!--章見出しを中央に配置-->
<center_page>
<font size="150%">章タイトル</font>
</center_page>
<newpage/>
<!--章見出しを書く-->
<page_title>章タイトル</page_title>
<!--本文を書く-->

この作業をすることで、章タイトルを扉に大き目のフォントで表示しつつ、ページ上には章タイトルを書かない設定ができます。

ページ番号横に章タイトルが表示されなくなりました

前のページの都合で章タイトルが左ページに来ないときは、このタグの前に改ページ(<newpage/>)を入れることで空白ページを入れ、調整しています。

つまり、各章の小説の長さによっては空白ページが大量発生したりします……ただでさえA6サイズは文字数詰め込めないのにこんなことしたら、印刷代上がるじゃないか……と思ってますが、私が考える理想の本!を考えると、これはしょうがない事として割り切ってます。

5.PDFファイルの出力

作ったtnfファイルを再び「威沙」に投入して、PDFで出力します。
できたPDFを開き、想定通りに出力できているか確認します。

私は4と5の作業を繰り返して小説本文データを作ってます。

6.小説本文データをすべて結合させる

各話tnfファイルが出来上がったら、別途空っぽの小説本文用のファイル(.tnf)を作成します。
各話順番にコピペして、1つのtnfファイルを作ります。
PDFを出力しながら扉が左に来ているか確認しながら、データを作成します。

お話ごとにPDFを出力して入稿してもいいのですが、ページ番号の間違いをするのが怖くて、この方法を取っています。
ちょっと手間ですが、今までページ間違いを起こさずに発行できています。

7.中表紙・目次・奥付の作成

ここからは「メディバンペイント」の作業です!

印刷会社が出しているテンプレートの上に、同人誌に印刷してよい画像データを乗せ、タイトルや目次、奥付を書き入れます。
私は、てんぱるさんの「【印刷用】タイトルデザイン素材」を買って、作っています。

Canonの「おうちで作る同人誌」の「飾り枠&トビラテンプレート」も私は好きです。無料なのがまた嬉しい!

綺麗な枠や罫線があって、その中に整頓された文字が並んでいるだけで、なんかいい感じになる……と思ってます。(小並感)
自分が満足できればそれでいいのです!

特に奥付は本を作る際には必ず必要なページで、必要事項もあるので、その点注意してくださいね。

作ったデータは、最後に保存するときに画面上のメニューから
ファイル→名前を付けて保存
をクリックし、表示されたウィンドウで
「ファイルの種類」をPSD
に選択して保存します。
これで拡張子がPSDになります。
おそらくこの形式であれば、大抵の印刷会社で対応しているはずです。

「威沙」だけで中表紙・目次・奥付を作成する場合は、
タイトル・章タイトル・奥付の必要事項を該当の記入箇所に入れて、
PDF出力の際に「目次奥付付与」にチェックを入れると、
全部自動で出力されます!便利~!

8.本文データ完成!

これで、PDFファイル1点、PSDファイル3点
本文データが完成しました!!
印刷会社のルールに従って入稿すれば、本文データはOKです!!

まとめ

こんなに気軽に同人誌って出せるんだ~って、初めて作った時は思いました。
本を作ってみたい方は、こんな方法もあるんだ~って参考にして、ぜひ本を作ってみてください。
物理本を作るって楽しいですよ~

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紅音
いただいたチップは、私の大好きな紅茶になり、執筆のおともにさせていただきます。