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獄中記 #02|囚人服

こんにちは、735番こと長嶺茜です。今日も雨浦監獄から私のnoteをお届けします。

今回は囚人の象徴でもあり、私も着用を強制されている囚人服について語っていきたいと思います。

雨浦監獄の囚人服

みなさんは囚人服というとどのようなものを想像するでしょうか。灰色一色の作業着のような服。オレンジ一色のジャンプスーツ。古典的なボーダー柄。ボロ布の貫頭衣。時代や地域などイメージする背景、あとはそれぞれの好みによって色々なパターンが有るかと思います。

いずれにしても共通しているのは、囚人というレッテルを貼り付けるということ。個性をなくす。視認性を良くする。不快感を与える。目的は様々ですが着るものに罪人だと自覚させることが主目的だと私は考えています。

私が収監されている雨浦監獄では特にその傾向が強く着るだけで惨めな気分になります。

  • くすんだ灰色一色の開襟の長袖長ズボン

  • ポケットも装飾もないダサい見た目

  • 左胸に縫い付けられた囚人番号札

  • 手足首が露出する短い丈

  • ねっとりした不快な感触

一昔前の日本でよく見られていた全身灰色の受刑服に似ていますが、サイズ感や着心地が悪く、見た目も無様で正に灰色の刑務所生活を送る囚人って感じがします。

私のアイデンティティ、事務服

外の世界にいたとき、特別お洒落な格好をしていたわけではありません。むしろ私服には無頓着な方だったと思います。

ただ、仕事で着ていた事務服には愛着があって大切にしていました。純白の長袖ブラウス。紺色の無地のベストとタイトスカート。典型的な事務服ですが、生地の質感が良く、清潔感あって品位が感じられる制服でした。
デザインも好みで程よくタイトなシルエットが私の身体を綺麗に映し出してくれていました。この制服を着てタイツとパンプスを履いて、軽くメイクをすればオシャレが苦手な私も素敵な大人の女性に見えてた……はずっ

OLの頃は品があって女性らしい事務服が好きでした。鏡に映った事務服姿の自分を見て、意外とイケてるかもと思っている私(恥)

とはいえ最近は制服廃止の風潮も強くなってきていますよね。実際、後輩たちからは私服の着用を望む声も少なくありませんでした。一方私は少し保守的な性格もあるのか制服が好きでした。毎日仕事で着る服を考えるのも面倒でしたしね。

あっまたあの服着ている、とか、長嶺さんの私服ダサくない、とか周りから思われるの嫌じゃないですか?気にし過ぎかな……

今思うとこういう細かいところでも後輩との意見のすれ違いがあったのだと思いますね。

少し恥ずかしいのですが、私は事務服を着た自分のことが好きだったのだと思います。というのも愛着していた理由は単にデザインが自分好みというだけではありませんでした。

この服を着ることで気持ちを引き締め、私は仕事モードに入っていました。細かい経理業務に主任という責任ある立場、質も量も多大な業務をこなせられいたのは、仕事をやり遂げる達成感もさることながら事務服を着て仕事に奔走する自分が好きだったからです。

悲しいことに趣味らしい趣味もなかった私は仕事中心の生活。そんな私にとって事務服はもはや単なる制服ではありませんでした。事務服を着ることで私が私らしくいられたのです。だからこそ私は逮捕後も、裁判のときも、そして収監されるその瞬間までこの事務服を愛用していました。

それ故に、愛用していた事務服を奪われ、灰色一色で汚らくてダサい囚人服を着たときは心底悲しくなり、女囚に堕ちたことをヒシヒシと感じました。

恥辱と屈辱にまみれた懲罰囚人服

ただ、そのダサい灰色囚人服ですら今となってはマシに思えます。というのも今私が着用を強制されているのはこの雨浦監獄でも特に厳しい懲戒が必要とされた特別な懲罰囚用の囚人服なのです

  • 太いボーダー柄の長袖長ズボン

  • 身体に張り付くほどにパツパツの小さいサイズ

  • 寸足らずで手足首だけでなく、お腹周りや尻の一部までもが露出

  • 肌着が着用させられず、浮き出る乳首

  • あまり細かく言いたくない……汚れ、染みが付いた股

今はこの情けない囚人服姿。服従のポーズで鏡に写った自分の醜態を延々と凝視させられる私(泣)

先日は懲罰の一環でこの姿で両手を頭の後ろに組み、口を半開きにして直立姿勢で自分が映った姿見を延々と見せつけられました。

自然と胸が反り、囚人服のボタンははち切れそうになり、乳首がはっきりと浮かび上がります。服の裾が上がり、少し弛んだお腹が晒され、ピチピチのズボンからは尻がはみ出てしまいそうです。

ムチムチの囚人服はサイズが小さいだけでなく、太いボーダー柄で私の情けない身体を強調します。口からは涎が垂れて汚い囚人服をさらに汚し、股間のシミが私がどのような排泄をさせられているのか見せつけてきます。

鏡から目を逸らせば怒号が飛び、懲罰時間が延長されます。私は惨めさのあまり涙を流し、この厳しい罰をぐっと耐え抜くのです。

これが今の私の姿。今私が着ている囚人服です。雨浦監獄に収監され、囚人服を着る立場になって尚、事務服を着ていた頃の自分を捨てきれずにつまらないプライドにしがみつき続けた結果がこれです。

私は看守だけでなく、同じ女囚たちからも蔑まれる惨めな囚人。異様な囚人服を着た私は嫌でも目立ち、醜態を晒すことになります。

みなさんは刑務所に収監されても変な反抗心は持たず従順になり、看守にひれ伏すよう心がけてください。さもなければ私のようになってしまいますよ。

ただ、こんな目にあっても尚、私は未だに事務服に憧れ続けています。刑務所でのこの処遇も本当に適切なのか疑問です。いくら私が犯罪者とはいえ……おっと、これくらいにしておかないとまた懲罰に……

私が犯した罪やこの刑務所で受けている罰。贖罪の気持ちと過酷な刑務所生活から逃れたい葛藤。これらはまたの機会にお話できればと思います。

それでは今回はこのあたりで。

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