三月雑記 誕生日の小包と夢の世界
実家から、誕生日プレゼントの小包が届いた。
沖縄の食べ物や飲み物がたくさん入っていて、その中に、小さな黒い箱があった。
木製の腕時計が入っていた。
驚いた。
ここ数年は腕時計をしていなくて、ここ数ヶ月でなんとなく欲しいなと思って、とりあえず1700円のチープカシオを二月に買ったばかりだった。
もしかしたら同じ時期に買ったのかもしれない。いつ頃買ったのかの確認はしないでおこう。
半袖の時期になったらつける。腕を振り子にして歩く。
知らない街を旅していて、細い緑の電車に乗って、はぐれてしまって一本先の電車に乗った同行者にLINEで連絡を取ろうとしたときに、
玄関のインターホンが鳴って、夢が終わった。
ぼやあとした頭のままで宅配物を受け取り、このおかげで寝すぎずに済んだなと思ったところで、さっきまで見ていた夢を思い出した。
連絡を返さないまま夢から抜けてしまった。
あの人はまだ旅を続けているかもしれない。
何かをしようとしていた途中で目が覚めて、それを覚えていたときは、ふっと自分が消えてしまったその後を想像する。
乗客が目の前で消えて驚いただろうな、まだ連絡を待っているのだろうか、ずっと曇っていたな、昼に「今日曇ってるなぁ」と思ったのが夢に組み込まれたのか。
一日の記憶を脳が整理しているものが夢である、という学説がある。
寝ているときに漂う世界がある、と私は感じることがある。
一日で起きたことが鍵や欠片となって開く世界がある、という折衷説を出そう。
今頃あの人も目が覚めて、もう夢のことなんて忘れている。
あの人が誰だったのか、思い出せない。
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きらきらの物を触って手にきらきらが付いたときくらい嬉しいです。