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あの日取った資格の意味を僕達はまだ知らない。

はじめに

こんにちは、RaiseTech JavaコースメンターのAkamatsuです。
RaiseTech界隈 Advent Calendar 2024 19日目の記事です。

みなさん資格は持っていますか?

転職に向けて学習中の方と話していると、「資格はあった方が良いですか?」と聞かれることがよくあります。

私はRaiseTechに入会したその日に本屋でJavaと応用情報の参考書を買い、同時に学習を始めました。 エンジニアとして転職して2年が経ちますが、何かしらの資格学習を継続的に行っています。

私の会社では資格に関する報奨金や手当は一切出ません。にも関わらず、資格学習のモチベーションを保ち続けている私が、資格を取るメリットと、転職における資格の意義を考えてみました。

この記事では資格の具体的な内容や学習方法についてはあまり触れません。資格も多種多様でさまざまですが、よく質問に挙がる基本情報や応用情報を想定して書いています。


必須ではないけど、取って損はない

「資格を取った方が良いですか?」と聞かれたら、大体こう答えています。

目下の転職に向けてという話であれば、無ければ転職できないというほど必須ではないです。転職の期限が迫っているのであれば、むしろ他の学習を優先した方が良い場合の方が多いでしょう。

ですが、転職後にその業界で働く上では取って損はありません。

私もそうでしたが、初学者にとって、現役のエンジニアが話している内容って外国語か!?と思うぐらい頭に入ってこないことがあります。 理解も追いついてなければ単語すらも知らない状態なので仕方ないですよね。

全ての先輩エンジニアが駆け出しと同じ目線で会話してくれるとは限らないですし、一般的な”エンジニア”という生き物の特性を考えると、むしろそうでないことの方が多いです。そうなると、こちらが意識的にキャッチアップするしかありません。

会話の中で出てきた分からない単語を一つずつ調べて潰していくのも良いでしょう。ただし、自分から予防線を張る意味でのキャッチアップとなると、一定範囲内の知識を体系的に身につけられる資格は手っ取り早く最適かと思います。

私の場合、応用情報とAWSのアソシエイトレベルの資格を取ってから上司が話すやりたいことやその手段がその場で分かり、多少なりとも会話できるようになりました。

資格を取って、情報の解像度を上げましょう。

基本を抑える

技術を取り巻く諸々は日々新しいものが生まれて消えていきます。その中で技術者として生きるにはキャッチアップし続ける必要があります。

流行りのツールやライブラリ、言語など、ジャンルは多岐にわたります。これら全てにアンテナを貼ってキャッチアップするのは不可能ですし、自身のキャッチアップにかけるリソースにも限りがあります。

ただし、これらの新しいものは既存の概念と全く異なるようなものということは少なく、何かしらの土台の元に成り立っている技術です。

であれば、その土台をまず学習しましょう。資格で体系的に基礎を押さえておくことが、その土台となります。

土台がしっかりしていれば、その応用である技術へのキャッチアップ効率も上がりますし、何より余裕が生まれます。土台を身につけて、今後のキャッチアップ力にバフをかけましょう。

ゲーム用語としての「buff」は、キャラクターの能力一時的に向上させる効果を指す。

出典: Weblio辞書

資格を取っても経験の代わりにはならない

「資格なんていらない」とおっしゃる方の主な理由がこれです。
資格を取ってもコードが書けて開発できるようになるわけではありません。

以前、120時間かけてネットワークスペシャリストを取りました。ネットワークスペシャリストという響きはかっこいいですが、社内ネットワークの構築さえもやったことないですし、多分できません。せいぜい自宅のルーターの設定をドヤ顔でできるぐらいです。

技術力を上げるためには、知識と経験の両方が必要だと思います。資格によってはハンズオン形式での学習もありますが、あくまでも資格は知識面の向上がメインとなります。

知識だけ身につけていてもダメですし、逆に経験だけを優先していても行き詰まることは多いでしょう。個人差はあるでしょうが、バランスよく両方とも進めていくのが一番効率が良いと実感しています。

知識を身につける一つの手段として資格を活用してください。

でも、資格なんて勉強する時間も気力もないし…

ですよね。

我が家も未就学児の3姉妹がいますが、カオスです。
子供がいようがいまいが、みなさん毎日に追われながら忙しく過ごされていることと思います。

そんな状況だからこそ、資格を用いて自分と自分を取り巻く環境をチューニングしましょう。

車だって2年に1度車検しますし、健康診断だって年1回ありますよね?
(ちなみに私は前職では健康診断を一度も受けたことなかったのですが、エンジニアに転職してから健康診断が義務付けられていることを知りました。)

知識を得ること以外のメリットが、資格取得にはたくさんあります。

締め切り効果を得る

締め切り効果とは、「特定の期限が設定されることで、人々の行動や意識が変化し、効率や集中力が高まる現象」です。

みなさんも期日ギリギリにレポートや課題を行った経験はありませんか?
逆にいうと、追い込まれないと中々やらなかったりします。

「いつでも受けられる試験はいつまで経っても受験しない」
これは私がX(旧Twitter)で見た格言です。

まずはつべこべ言わずに申し込みましょう。それも「ちょっと頑張れば受かるかも」ぐらいのギリギリのラインの日程で申し込みましょう。資格を活用すると簡単に締め切り効果を得られるのです。

仕事でも締め切り効果を感じることはあると思います。ただし、仕事は受注するまでのハードルもありますし、タイミングもそれぞれです。一方で、資格は定期的に行われますし、CBT形式の試験であれば好きなタイミングで受験可能です。 受験料を払えば簡単に締め切り効果が得られます。

失敗するなら資格で失敗しましょう。

仕事で間に合わなければ信頼に関わりますが、資格は受験料を損するだけです。その上、学習した内容や、そのプロセスで得た気づきはもちろんプラスですよね。

申し込んでしまえばやるだけです。やらざるを得ない状況に身を置いてしまうのです。

必要ないことをやめる

忙しい日常から資格学習の時間を捻出するために、日々の生活の中で時間を見つけなきゃいけません。

ただでさえ間に合わないかもしれないので、日常の中における無駄な時間や普段の作業の効率化を図って時間をつくるのです。そのためにはある程度お金をかけて時間を捻出することも必要になるでしょう。

「自分がなんとなく見てるテレビ番組、なんとなくやってるゲーム、ほんまに欲しいもんなんか? 自分の収納やパソコンの中には、ほんまに欲しいもんだけが入ってんのか? もし、そうやないんやとしたら、自分が本当に欲しいと思てるもんは一生手に入れられへんで。部屋の大きさが限られてるみたいに──自分が持てるもんも、生きてる時間も、全部限られてるんやからな」

出典: 夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え

意外と、こうやって追われないことには日々の生活の見直しはできないものです。締め切り効果を活用して、自身の生活の中の不要なものをあぶり出しましょう。

また、資格という建前であれば家族の理解も得やすくなります。自分だけではなく、自分の取り巻く環境ごと見直しましょう。

自分を知ること

エンジニアになるために学歴は不要ですが、それなりに受験勉強を頑張ってきた人は有利だと思っています。なぜなら自分にあった学習の進め方を知っているからです。学習する上で、ある程度のストレスに晒されている状況での自分の特徴を知っているからです。

少なくとも転職に向けた学習は長期戦になります。体調がいい時も悪い時も、モチベが上がる時も下がる時もあるでしょう。

その中で、自分をよく知って、自分の機嫌の取り方がわかっている人は強いです。

締め切り効果を作ることで追われる状況にあえて身を置き、自分にあった学習方法の模索と、体調やモチベ管理も含めた中長期的に目標に向けてやりぬく体力をつけましょう。

資格であれば1~2ヶ月規模の締め切り効果を得られます。これが短すぎず、かといってダレるほど長すぎず、ちょうど良いのです。

仕事を進める上で見積もりも立てる時には、発揮できるパフォーマンスとキャパシティを把握しておくことが大事です。資格勉強を通して、定期的に自分のパフォーマンスとキャパシティを計測しておきましょう。

おわりに

私はエンジニアを目指し始めてから2年で計650時間ほどかけてIPAの高度区分やAWS認定資格を中心に11の資格を取得しました。電卓を叩いて簿記2級も取りました。

もちろん資格以外の学習も行っていましたが、資格にきっかけをもらい、身を救われたとも思っています。全くの未経験だった自分が、たった数年でそれなりの基礎を身につけた上で開発を進められるようになったのも資格のおかげだと思っています。

上に書いたことは、資格じゃなくても実践できます。ただ、多くの人にとっては、自分を追い込むのに一番手っ取り早い方法なのではないでしょうか。

資格はあなたの人生を変えるキッカケには十分になり得るものです。

みなさんも良い資格ライフを!


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