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Akamai Vijay Kolliに聞く:APACでのセキュリティと脅威ハンティングの展望
こんにちは、Akamai工藤です。私が所属するエンタープライズ・セキュリティ・セールスグループで、リージョナル・バイスプレジデントを務めるVijay Kolliが来日し、APJ (Asia Pacific & Japan:アジア太平洋日本地域) の概況や展望について語って頂きました。
ーVijayさんのAkamaiのこれまでのキャリアを教えてください。
今年で13年目になります。始めはアメリカのボストンでWebパフォーマンス製品やモバイル製品の立ち上げに携わっていましたが、4年前からはインドのバンガロールでエンタープライズやキャリアのセキュリティ製品の担当をしています。
―APACでも、最近のエンタープライズセキュリティの状況は、以前と比べて変わってきていますか?
そうですね。私がモバイルセキュリティに携わり始めた頃は、脅威は外から入ってくるというのが一般的でしたが、現在の脅威は内部にあります。そのための多くの投資が必要とされてきています。サプライチェーンアタックの様な攻撃は、これまで見たことはありませんでした。ここ数年で大きく変わってきていることの一つかと思います。
―特に大きな脅威や課題となった出来事はありますか?
一つはLockBitなどのランサムウェア・ベンダーの活動です。企業に対する攻撃は以前は定まりのないものでしたが、現在はとても組織化されていると感じています。
―日本ではレガシーサーバのメンテナンス等に時間を取られてセキュリティへの対応が遅れるといったことも多いのですが、アジア諸外国ではどうでしょうか?
多くの会社はDXによりクラウドに移行をしていますが、日本と同様に、レガシーサーバを運用している企業や組織もたくさんいます。例えばインドでは、コマース・アプリケーションはクラウドを活用しつつも、バンキング・アプリケーションはレガシーシステムを利用しているという銀行もあります。私たちはこうした企業に対して、レガシーシステムと新しいシステムへ同等の防御を提供することで、支援を可能にしています。
―APACのCISOやセキュリティチームは、私たちにどんなことを求めていますか?
最近のCISOから聞かれることとして、脅威動向の可視化と、それを用いた具体的な対策が取れるか、というのがあります。CIOはランサムウェアのブロックに目が向いていますが、CISOはそれに加えて、攻撃を引き起こす脅威動向の洞察に興味を持っています。私たちが求められているのは、単に攻撃を防ぐだけではなく、ネットワークに潜む脅威を可視化することだと思います。特に金融業界や通信業界では、脅威ハンティングサービスを含む私たちのソリューションに興味を持たれる傾向が強いです。また、従来オンプレミスで対応してきた領域を可視化するために、SaaSソリューションに切り替えるといった兆候も見られます。
―脅威ハンティングサービスは、APACではどの様に扱われていますか?
あるお客様では、自社のSOCと併用してネットワーク全体に向けた脅威の発見と対策に役立てています。私たちのサービスは、ラテラルムーブメントの検知など他のソリューションでは発見が難しい挙動を見ることもできるので、監視レベルの向上に役立てることもできます。一つの機器を見るということではなく、ネットワークにつながる全ての機器に対する脅威や兆候を見つけ出すことができるのは、特徴的だと思います。
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―ランサムウェアに対応するために、コンプライアンスの見直しがされてきています。
はい、APACでも同様です。ランサムウェアの削減や防止のためのコンプライアンス指導が広がっています。かつては重要インフラの対象は公共インフラや政府系を中心としてきましたが、現在はそれらと連携する通信・金融や、関係会社全てを含む様になりました。米国から始まったこの動きは、アジア諸国でも国からの指導や、監査組織へと広がりを見せています。典型的には、各マーケットのリーダー企業が導入し、それが有益であることがわかると、政府の指導として定まっていくというパターンが多いかと思います。私たちが提供するマイクロセグメンテーションも、同様の手順を経て広がってきていると感じています。
―今後アカマイが期待されていることはなんでしょうか?
これまでのユーザは、製品に対して機能性を求めてきました。これからは、成果ベースのソリューションが求められてくると思います。これまではセキュリティの全体像が見えてこないことで各製品の機能に投資せざるを得ない状況でしたが、これからは成果を出すために、異なった製品同士のシナジーが求められ、統合されたセキュリティ対策が求められてくると思います。
日本ではこういった動きはまだ始まったばかりかもしれませんが、これから加速度的に増えていくと思いますし、私たちがサポーターとなれることを期待しています。
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