2020年5月の記事一覧
抱擁のかけら (2009) LOS ABRAZOS ROTOS/BROKEN EMBRACES 監督 ペドロ・アルモドバル
アルモドバル監督の映画を見る時は、どんな色彩、部屋の内装、風景、劇中劇を見せてくれるのだろう? という興味で観ているような気がします。
レナとマテオの逃避行先のファマラのホテルの部屋。鮮やかで明るいのにかげりを感じさせるブルーの壁にオレンジの花柄のソファ。海岸で、男の赤のシャツの背中をそっと抱きしめる女の深緑色のニット。補色がいつも効果的に使われています。
登場人物たちの思いも、色のように鮮や
恋するベーカリー (2009) IT'S COMPLICATED 監督 ナンシー・マイヤーズ
原題は「It's complicated」。複雑なんです!
なぜなら…
10年前に離婚した夫は子供たちのパパで、共通の知人も多いから、ことあるごとに顔を合わせちゃう。これがまた口がたつし、憎めない男なんですよね。
それに10年も経ったら憎しみだとか辛かった気持ちがようやく薄れてきて、おそらくは更年期もようやくやり過ごして、なんか楽しかったことばかり思い出してしまうみたい。
ああ、でも酔った
エターナル・サンシャイン (2004) ETERNAL SUNSHINE OF THE SPOTLESS MIND 監督 ミシェル・ゴンドリー
映画を見終わった後、ケイト・ウィンスレット扮するクレメンタインのタンジェリン色の髪の色がいつまでも記憶に残ってしみ込むような余韻。ミシェル・ゴンドリー監督の作品が好きってこともあって、私の好きな映画の、かなり上位に食い込んできています。
記憶消去手術なんて奇想天外で超現実的なストーリーなのに、そこから抽出されるのはリアルな恋愛のエッセンス。性格がまったく逆の2人が惹かれ合い、その違いゆえにうんざ
ロシュフォールの恋人たち (1966) LES DEMOISELLES DE ROCHEFORT/THE YOUNG GIRLS OF ROCHEFORT 監督 ジャック・ドゥミ
大雨の日、「シェルブールの雨傘」を観ようかと思ったけれど、時間が合わず、こちらの鑑賞となりました。だけど、大正解! 冷たい雨の憂鬱さなんて完全に忘れてました。見終わって、ただただハッピーです。
ミシェル・ルグランの時に軽妙な、時に切ない旋律に
ジョージ・チャキリスや、ジーン・ケリーのダンスに
美しいドヌーブと、その実の姉のフランソワーズ・ドルレアック(この映画の翌年に25歳の若さで交通事故死