"本質"という魔法の言葉

「君は本質をわかってない」

誰でも一度はこの言葉を受けたことがあると思う。かくいう私も高校生の頃からこの言葉を受けたことがある。当時は「きっと私の理解力、何かを見抜く力が無いんだ」と思っていた。そうして大学、大学院を経て社会人となったが、それでも尚この言葉を受けることがある。

だが、高校の出来事を機に、私は大学で何か物事を見るときは常に"本質"を意識して考えた。そして、先輩や教授、講演者など色々な人に「この本質は何ですか?」と確認し、自分の思考との差異を照らし合わせた。

そして導いた結果が、「本質とは魔法の言葉である」という事だ。つまり、「本質」というのは確固たる正解の事ではなく、"本質"という事で相手を納得させる魔法の言葉でしかないのだ。別の切り口でいうなら「その人自身が思う正論」でしかない。
なぜなら、大抵語られる"本質"というのは「(その場にいる)発言権の強い人が放った、それっぽい正論」に対して皆"本質"と言い、それは簡単に手のひら返しされるからだ。つまり「確固たる正解」かの様に聞こえるのは99%が幻だ。

故に、「君は本質をわかってない」という言葉を受けて、落ち込む必要はない。自分の考えをしっかり持ち、正論を語る事ができればそれで十分であり、"本質"という言葉に惑わされてはいけない。そしてそれができる様になるには、常に発信し続けるしかない。発信し続け、自分の考えの研磨を繰り返す事が大切だ。

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