どちらの道を選んでも私には幸福が訪れる(BFC6一次通過作)

なまあたたかい血が流れており
照射されたひかりは青く
風が吹き
泣き止んだ赤子が
笑った

くたびれた男が
ふとしたはずみに
あれが欲しい
といった
においが立ち籠め
黄色いにおいは甘やかで
希望のにおいでもあった

まだ老いてはいない
いくつになっても赤子のようなものだ
こころが
軽い
風船のようにふわふわ飛んでゆく
正体を失った
こころは確かである

犬が吠えた
大空へこだました
音は七色にひかり
公園でこどもたちがたわむれている声が反射する
通りがかった
老いた男はほほえむ

顰めっ面のお前が
笑うと
嬉しい
弾けた笑顔が見たい
健やかに睡ってくれ
お前の寝顔が一番好きだ

小心者の私は
宝くじを買わない
紙切れ同然である
札束とて
燃やせ
煙が立ち籠め
ゴホゴホしている
眼が滲み
未来が見えない

未来は明るいか?
とうめいにぬめっている
ぬめり取りが必要だ
ぬめりが肝要だ
過去と未来は同じ
ループしているだけ
恥ずかしがっていてはいけない
廻れ!
かぐわしい今を!

大通りで
物凄い人なのに
百本の薔薇の花束でプロポーズしている
男は青い顔をしている
女の顔は赤い
紫色の顔のこどもが産まれた
人生を
産まれてきたことは 嬉しいのか 悲しいのか
ありがとう ごめんね

交わったばっかりに
この世界に
世界を呪え
世界は美しい

異次元の角度からボールが転がってきた
誰からのパスだ?
取っていいのか スルーした方がいいのか
迷っていると
キャッチミスするぞ
意を決せ!
そのボールはお前への最高のアシストだ
しっかりとキャッチし
シュートを放て!
ゴールを決めろ!

醒めた目であなたを見つめていると
あなたは泣いた

ところ構わず走った
何処までも走った
砂利がぬめった
ぬめり取りをくれ
ぬめって進めない
ぬめりが肝要である
突き進め!

つゆが滴って気持ちいい
間際の夢を
夢をひらめかせ
現となり
生きろ

混ぜ合わせた火薬は
大きく花ひらく
大空へと打ち上げられた
青い花火は
青空と同化し
何も見えない
何も見えないところにほんとうがある

ひらめきかけた思考は萎み
何ごともなかったように日常へと収束してゆく

ほんとうなど存在しない

猫を除いては

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