パー券疑惑 安倍派が狙われたワケ
●次期官房長官の名前
「真面目に見える奴ほど、悪いんだよ」
1000万円の裏金疑惑が浮上した松野官房長官について、ある自民党議員はこう吐き捨てた。「松野事務所はいまテンヤワンヤ。一部スタッフを出勤停止にしたり、キーマンの秘書が表情が暗かったりしている」(前出・自民党議員)
昨晩から松野官房長官を擁護していた岸田首相が切る方針と報じられて、週明け(原稿は8日時点)にも何か動きがあるか注目されています。派閥の領袖をやめたにも関わらず会長不在にして岸田派の名前を残そうとしたり、相変わらず岸田首相は自分の保身と利益しか考えていない男のわけですが、とうとう岸田政権発足からの腹心である松野氏を切ろうとしているわけです。
本稿ではなぜ安倍派が狙われたのか。そして気は早いですが、次期官房長官は誰か? 永田町で囁かれている名前についてお話をしたいと思います。
●安倍派が狙われた理由
次になぜ安倍派が特捜のターゲットとなのか。週刊新潮では「黒川定年延を決め、検察人事に手を突っ込んだ安倍政権」への墳弩の念があったと報じてます。そうした思惑以外にも、パー券疑惑で安倍派がねらわれたのには3つの理由があります。
① 「強欲な金集め」
昨年、5月16日の東京プリンホテルで安倍派のパーティがありました。鳳凰の間といくつかの部屋を使い、およそ3000人を集めて行われました。これまでのパーティーではビッフェなどの食事や引き出物でそれなりのものが出ていたのですが、このパーティーはセコさ全開でした。会費は2万円であるのに対して、コロナなどを理由に食事なし、引き出物は1000円分のクオカードと缶ジュース。いわゆる立食パーティーから講演会形式に変えたわけですが、その講演会もチャチャと40分ほどで終了した。原価1100円で2万円のパー券を売ったわけです。しかもプリンスホテルは清和会の常打ち会場で、おそらく会場代も大幅値引きされているはず。つまり利益率90%近くの金集めをしていたわけです。3000円×20000は6千万円ですが、パー券を一企業で何枚も買っているから収入は数倍だったはずで、強欲すぎる政治資金パーティーと自民党でも話題になっていたのです。
② 「不自然な収入」
安倍派(99名)の年間パーティー収入は9480万円でした。ここに闇があることを検察は察知したようです。なぜかと言うと、自民党派閥でパー券収入トップは麻生派(55名)は約2億3500万円です。2番目が二階派(44名)で1億8800万円、3番目が岸田派で1億8300万円、茂木派1億8100万円と続きます。
なぜおかしいのかというと安倍派は99名いて、最も稼いだ麻生派は55名しかいない。つまり安倍派は「最大派閥」で議員数は麻生派のほぼ倍いるのに、収入は麻生派の半分以下しかないわです。
議員ノルマがあるという報道をみてもわかるように辻褄が合わないわけです。本来は議員数からすると麻生派の倍の収入があってもおかしくないのに、金が消えている可能性がある。つまりキックバック、裏金の匂いがプンプンするわけです。ここに特捜は目をつけた。
③ 不記載は立件しやすい
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