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日記0093あるいはター

難しい映画に対して私見を語ると馬鹿がバレる
これだけ情報与えれば伝わりますよね、というような信頼なのか、美意識なのか、断片的な映画だった。解となるオチがあれば断片でも紡ぐ気力が起きるが、オチも分かりにくく不親切だなぁと感じた。音楽系の大学出てないと、一つ一つまで汲み取れないのでは。小さいタイトルと長々スタッフロールに、押し付けタイプの芸術空気を感じたが、ある種予想通りジェンダー、人種、知識、老い、承認欲求など現代のテーマがモリモリ。これは大きな爆発が来るかと思いきや、スキャンダル部分も、馴れ初めも、レズ的欲求も、自尊心も確定的な画で見せず、徹底して断片でインタビューなど多くの人が見れる一面は長尺。内面として唯一たっぷり尺を割かれるのは音楽に対して誰より真摯に奉仕的に向き合う姿なため、応援したくなる。場所がコロコロ動き、暗さや湿気、そこにあるものも変わっていき、空間が心理を代弁してる印象もうけた。途中のロシアが可愛かった。撮り方は好きだけど、音楽映画なのに一曲丸々聴かせてくれない不満。フィルムレッドでAdoが歌わないような、肩透かし感は否めない。音楽への解釈、実は一面的にしか観れていないのにそれが正解だと思う態度に、炎上という形で主人公自身に跳ね返ってきた話なのか。それでも、残った音楽への、言葉にできない感情が突き動かすエンドに思えた。

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