山本貫太(たんかともま)

なで肩。何でも書きます。スキ欄は日記以外の文章をまとめています。日記の内容は架空です。…

山本貫太(たんかともま)

なで肩。何でも書きます。スキ欄は日記以外の文章をまとめています。日記の内容は架空です。 ご連絡はメール(akaimukade@gmail.com)かX【Twitter】(@tankatomoma)にお願いします。

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掲載情報

題名をクリックするとAmazonの商品ページが開きます。 【小説】 「ソルター・マーシー」 江古田文学101号掲載 「パッチワーク」 江古田文学102号掲載 「毛穴」 江古田文学105号掲載 「執筆用資料・メモ」 江古田文学108号掲載 【官能小説】 「一回だけで、いいの?」 新鮮小説 2020年4月号掲載 「お義母さんは、僕専用のオナティッシュ」 特選小説 2021年9月号掲載 「×××ゲーム」 新鮮小説 2021年12月号掲載 「わたしで抜いたことある?」

    • 日記0575あるいは鼾、採血、甘味

      なんだか毎年入院している。今回は初の大部屋だが、鼾の三重奏がとてもしんどい。 「グゴーッ」 これならまだわかる。しかし、実際は違う。 「グコーッ、ハフンッ♡」 なぜか、鼾で喘ぐのだ。 「ヘンギュパロンソ、コワーコワースペレミ?」 外国人が話す。アンケートが届く。 □快適ですか? □楽しいですか? 休ませてください。 「チーズケーキとプリンです」 甘味。その中に、焦げたような苦味。

      • 日記0574あるいは子ども目線の患者

        車椅子に乗ると、地面と距離が近づいた。草花がよく見える。低い棚の商品がよく見える。子どもの世界だ。 「次はどこに行きたい?」 「んー、レストラン」 ポークを食べ、コーヒーを飲む。 「満足した?」 「少しは……?」 「じゃあ、いこうか」 「ん……」 霧に隠れた針山が見える。針はよく見ると中が空洞だ。 「この方が血、きれいに見えるから」

        • 日記0573あるいは世界仰天

          「え、新種の虫?」 私の血管の中を、米粒よりさらに小さい虫が泳いでいるのだという。 「そうなのです。どうやら爆発的に数を増やしているらしく、私共では何とも……。一度大きな病院で検査を受けてください」 「いやあ、明日仕事で……」 「急を要しますので、休んでください」 鼻から一筋の血。泡立っていると思ったが、それは気泡ではなく、数多の虫だった。

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          日記0572あるいは残基〇

          なくなったよ、まじかよ! くっそー、どうしろっての? ×1 クソーーー! ×0 オワッターーー! ×-1 ショボーンと同じシステム!? ゆったり湯に浸かる。治ってくれ。 脱衣所で電話が鳴っている。見たことのない、海外の番号。

          日記0572あるいは残基〇

          日記0571あるいは2505分の拷問

          拷問、と言っても差し支えないだろう。興味のない動画を見せ続けられた総時間が2505分だ。約42時間。2日にはギリギリ足りないが、丸一日以上は確実に無駄にしている。 「あ」

          日記0571あるいは2505分の拷問

          日記0570あるいは熱と葬葬

          体が火照る、医者はそれほど役に立たず、友人らの励ましも、両親の心配も、もはや届くまい。 毛穴が黒ずみ、膨れ上がり、ぬるりとした黒い油を垂らす。全身が殴られたかのように痛い。 「呪文を唱えて」 シャーマーウッテーロー、グンズバウーマー

          日記0570あるいは熱と葬葬

          日記0569あるいは無碍に蔑ろにゾンザイ

          天井を見ながら呻く。救急車を呼ぼうとしても機械音声が流れるだけで一向に繋がらない。痛み。血管の中にガラスが流れているような、痛みで人の形を成しているような。 「このアニメ面白いよ」 私が呻いているのがわからないのか? 寝かせてくれ。 「待ち合わせ時間の1時間前にはいろっておかしくない?」 知らないよ。 「ほんとにさー、嫌な人ばっかり。大人ってホントいや」 黙れよ。 「はあーあ、なんかテンション下がるなー」

          日記0569あるいは無碍に蔑ろにゾンザイ

          日記0568あるいは絶対絶痛

          痛い。歩けない。動けない。痛みだけがある。 「苦しい苦しい苦しい苦しい」 「許せない許せない許せない」 「あいつのせいだあいつのせいだあいつのせいだ」 負の塊を飲み込んで、薬を流し込んで、待つ。耐える。

          日記0568あるいは絶対絶痛

          日記0567あるいは別れと分かれ

          なんかしゃべって! なんでもいいよー? きこえてる? きこえない? あれ? ひとりか。

          日記0567あるいは別れと分かれ

          日記0566あるいは家系と火刑

          自己中心。どこかマイナスの印象を受ける。でも、みんなそうだろ? 「うちは代々、漆塗り職人なの」 「うるし?」 私は家系図を覗き込む。家系図には中心はない。血管のように繋がっているだけだ。

          日記0566あるいは家系と火刑

          日記0565あるいは病と生活

          生活が悪いので、病は不治です。 血を抜いて調べましょう。 鼻血は拭きましょう。

          日記0565あるいは病と生活

          日記0564あるいはロング

          足の感覚がなくなる。いや、なくなってはいない。根を張っていくような、あるいは、渾然一体となるような……。 「つかれたかい?」 「あー、まあ、はあ……」 血が鼻から一筋。悲しい気持ちだ。けれども、通帳にお金は振り込まれた。 「働きましょう、そのあと、歌いましょう」 骨壺に入り切らなかった欠片を飲み込む。 「夢を見たい、とても叶いそうにない、悲しい夢を……」 「寝ろ」 夕飯を食べそびれた。

          日記0564あるいはロング

          日記0563あるいは退屈と反発

          あまりに退屈。身体の自由が奪われるとこうも彩りが消えるものなのか。 「ここのドーナツ、おすすめだよ」 湿った砂糖を食べさせられている気分。 「この小説おもしろいよ」 登場人物の名前が記憶できない。 つまらなさに囲まれている。もうどこか遠くへ行きたい。

          日記0563あるいは退屈と反発

          日記0562あるいは病院と定休日

          ・ねっとねっとねっとすとーきんぐ 三つのアプリを行き来して片思いの女の子の住所を突き止めるゲーム。 ・脱出ゲームサポート 脱出ゲームのサポート役になる。 ・ダストボックスガール 体内に捨てられた異物を使って脱出するゲーム。 頭でゲームを次から次へ。 止まらないなら病院へ。

          日記0562あるいは病院と定休日

          日記0561あるいはグニャ

          痛い。 ぽつんと小さなホクロが腕にできている。 日に日に孤独は深まり、一方で、 怒りによく似た衝動は高まる。 段ボールや、ぬいぐるみに何度もナイフを振り下ろす。一瞬、ラクになる。

          日記0561あるいはグニャ