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気が付かなかった絵、叫び

ダリオ・アルジェントの映画は絵画を参考にして絵づくりがされることがよくある。有名なのは『サスペリアPART2』の広場にあるバーだろう。このバーはエドワード・ホッパーの有名な絵画「ナイトホークス」を参考にしてセットが作られた。

アルジェントの映画を観ていると、そうした有名な絵を参考にしたシーンであっても違和感がなく、そこだけが浮かび上がることはなく、ごく自然に映画全体に溶け込んでいる。

アルジェントの『シャドー』はダリア・ニコロディが演じるアンが絶叫するカットで終わる。実に印象的で衝撃的なラストシーンだ。

『シャドー』のラストシーンのイメージ(絵は筆者)

上の絵を何人かに見せたところ、ムンクの『叫び』みたいだと言われた。自分では全く意識していなかったが、複数の人がそう感じたのだからおそらくそうなのだろう。

ダリオ・アルジェント本人は『シャドー』のラストシーンをムンクを参考にして撮ったとは公言していない。だが、意図したものか、意図せざるものかはわからないけれど、アルジェントの映画にはさまざまなところで絵画というものが見え隠れしている。

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