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【エッセイ】野良猫、野良人間の生き方


あんたは実にたくましく生きている

あんたに出会った4年前

時には、金色の稲穂の影から

時には、畑の足跡から

時には、闇夜の駐車場から

あんたの気配を感じて来た


月日が流れても変わらない丸くてでかい図体に
少し汚れた白い毛

頭に載った2枚の海苔

あまりの恰幅の良さに
いつ見たって、あんたを野良猫だなんてやっぱり思えない

さぞかし、狩が上手いのだろう

さぞかし、人に取り入るのも上手いのだろう

そんな冷たい目で睨まれたら、鳥も凍りついてしまうだろ?

私はあんたを見るたびに、獲物を噛みちぎる姿がいつだって目に浮かんでしまうんだよ

風に吹かれて生きている風来坊の様な
その癖、鋭いハンターの様なあんたに私は名前をつけんだ

おにぎり猫

気に入ってくれた?
それとも怒っている?

私は野良猫の気持ちが少しだけ分かる野良人間

お互いにレシピのない生き方は簡単じゃないね

でも、レシピがあるからレシピの無い生き方が大変だと感じるだけなのかもしれない

あんたはどうだい?窓辺に横たわる家猫に憧れたりするのかい?

それとも自由が好きなのかい?

私とあんたが暮らしたら、少しはお互い真っ当な生き物になるだろうか?

それとも、少しくらいの汚れがついている人生の方が頼もしいかい?


いつか、あんたと眠れたら

そんな夢を見ているよ



akaiki×shiroimi

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