押し引きに関する備忘録①(ベタオリ編)
押し引きに関する備忘録として現時点での到達点として残す。
コラム14 成績影響度と難易度
麻雀というゲームは総合力のゲームだとよく言われる。
攻撃と防御が密接に関わっており、様々な要素が複雑に絡み合って切り離すことが出来ないからだ。
また「ファインプレーが+100点」で「ドデカイミスが-1000点」なゲーム性である以上、どこかに穴があって大きなミスをしてしまっては取り返しがつかない。
ということで簡単な攻撃と防御は必ずマスターする必要がある。
上の表でいうと、太字の部分は最低限出来たほうがいいだろう。
出来れば赤字のところまで出来るとベストだ。
初歩的な牌効率、初歩的なリーチ判断、初歩的な副露判断の3つは「牌効率についての備忘録」のページでやったからそちらを参考にしてほしい。
ということで、ここのページではベタオリをやりたいと思う。
(「敵の攻撃に対して、自分のアガリを諦め放銃回避のみを目的に打牌を行うこと」を「ベタオリ」という。)
次に捨て牌からの速度計算をやります。
最後に初歩的な押し引きをやります。
成績影響度が高い部分をミス無くこなせる様になってほしいと思う。
①テンパイしている他家への牌の放銃度 重要度★★★★★
を見てほしい、と言えば正直なところ終わりなのだがそれでは味気ないので一応補足がてら色々書いていこうと思う。
上の表は「9巡目の主な牌の放銃率」だ。基本的にこれを参考にベタオリすればいいと思う。
ちなみにだが、当然ながら現物は0%である。
数牌については「1巡目は9巡目の半分くらい」で「19巡目は9巡目の倍くらい」で巡目の影響がある。
字牌については「1巡目は9巡目の半分くらい」で「19巡目は9巡目の3倍くらい」で巡目の影響がある。(字牌は後半危険度が跳ね上がる点に注意)
巡目に応じて放銃率の変化がそこそこあるのは覚えておこう。
ちなみに後半になるとどんどん危なくなっていくのは、当たりうる牌の種類がどんどん減っていくからだ。
「当たりくじ1本が入った20本のくじから当たりを引く確率=5%」、
「当たりくじ1本が入った10本のくじから当たりを引く確率=10%」、
「当たりくじ1本が入った5本のくじから当たりを引く確率=20%」、
を考えてみると分かりやすいと思う。
詳しく知りたい方は「統計学のマージャン戦術(みーにん著)」を買って読むのをオススメします。(細かなデータは一度目を通しておくと役に立つと思いますので是非購入してみてください。)
ここからはベタオリに役に立つ話をしていこうと思う。
②安牌に困ったら複数ある牌を切れ 重要度★★★★☆
よく言われることだが非常に大切。
例えばベタオリしていて安牌が無くなったときに
「筋の3m×1枚」vs「無筋の9p×2枚」
なら、二枚ある9pから切るべき。
「5.5%」vs「7.4%÷2=3.7%」なら後者のほうが放銃率が低いことが分かるだろう。1巡しのげれば問題無い場合以外は、どうせ次の順にも安牌に困るだろうから複数ある牌を通していくほうが結果安全になる。
③序盤に切った牌の外側は筋並みに安全 重要度★★★★☆
・「8pが切られたときの9p」
・「3sが切られたときの2s」
・「6mが切られたときの78m」
が序盤に切った牌の外側に当たる。
どうやら筋並みになるらしい。
特に副露手相手はかなり安全になりやすい。
詳しく知りたい方は「統計学のマージャン戦術(みーにん著)」を買って読むのをオススメします。
④モロヒは無筋並に危ない 重要度★★★☆☆
詳しく知りたい方は「統計学のマージャン戦術(みーにん著)」を買って読むのをオススメします。
ただし
・「7pが切られているときの4p切りリーチ」
ならばそれほど警戒する必要は無いと思う。「4688p」から8pを切ることより4pを切ることのほうが多いと思うからだ。
・「4pが切られたときの1p」
も警戒する必要が無い。なぜそうなるかはモロヒがなぜ起こるかを考えてみれば容易にわかると思う。「246p」から6pを切るから3p待ちになるのであって、「24p」から4pを切っても1p待ちになるわけではないからだ。(1pと9pがつながるルールなら別だけど・・・)
⑤赤5が切られたとき 重要度★★★☆☆
1469が危険度上昇、2378は危険度低下。
ただし、相手に高打点が確定してるときや持ち点が多いときはネトマでは読みを逆手に取ってくる相手もいるので過信は禁物。
詳しく知りたい方は「統計学のマージャン戦術(みーにん著)」を買って読むのをオススメします。
⑥ノーチャンス(壁) 重要度★★★☆☆
ある牌が四枚見えることを「ノーチャンス」とか「壁」とか言ったりする。
・「2pが四枚見えたときの1p」
こういった牌はかなり安全度が上がる。
・「4pが四枚見えたときの8pを切っている相手への5p」
・「4pが四枚見えたときの9pを切っている相手への6p」
こういった牌も安全度が上がる。とくに上の例はほぼ当たらないと言ってもいい。見落としやすいので気を付けよう。
⑦捨て牌的に無さそう 重要度★★★☆☆
「捨て牌的にこの待ちはあんまりなさそう」は体感的にかなり通ると思う。(そういった牌で当たった記憶があまりないからだ。)
「当たる牌姿がまったく想定できない」ならその牌はほぼ通ると思ってもらっていいはず。
⑧副露相手の上家の捨て牌 重要度★★☆☆☆
副露した人の上家の捨て牌は比較的安全になりやすい。
必要なら当然鳴いているはずだからだ。
手出しが何回も入ったりするとちょっと怪しくなってくるが、そこそこ安全なのは覚えておこう。
(ちなみに「副露後の上家の捨て牌」はそこそこ安全だが、「副露前の上家の捨て牌」はそこまで安全ではないことに注意。)
⑨内→外が切られたときの外の周辺牌 重要度★★☆☆☆
麻雀は普通は外から内と切るゲームだ。
ということは内から外と切られたらその周辺牌を持っている可能性が自然と上がる。もちろん「その周辺が待ちになっているか」は分からないが「周辺を持っている可能性が高い」ことは分かる。
ということはその周辺の危険度は自然と上がるということだ。
⑩ワンチャンス 重要度★☆☆☆☆
ある牌が三枚見えることを「ワンチャンス」と言う。
その外側がちょっと安全になったりするらしいが、ここまで来ると信頼度が低く情報として使うことはあまり多くない。
どうしても安牌が無く「詰んだ」状況のときに一応の情報として使う程度。
⑪ベタオリ時の注意点 重要度★★★★☆
ベタオリ時の注意点をいくつか挙げる。
・自分の手の価値がまだ残っているか、もう価値が無いのかを判断すること。価値が残っているなら手の形を維持しながらオリてもよい。価値が無いなら脇の二人が今後押し返してくる可能性を考慮して、脇の安牌を残しながらオリること。
・脇の二人が押してるか、オリてるかはよく見ること。もし押しているならテンパイかシャンテンか見極めて、テンパイと判断したならきちんと対応すること。
・オリると決めたら最も安全な牌を切る事。安易に甘えてもいいことは無い。
実戦編
ここからは実戦のベタオリをいくつか載せていきたいと思う。
ここからはどちらかというと捨て牌編と押し引き編を読んでから見たほうがいいかもしれないが一応載せておこうと思う。
⑫ 難易度★★★☆☆
下家からリーチが来た。
この手はオリ一択(詳しくは押し引き編で述べる)。
さらに自分の手に価値はほとんど無さそうだ。
というわけで、粘る必要が全く無いので現物の9pを切る。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
安牌が無くなった。この手で一番安全な牌は何だろうか?
一番安全な牌は恐らく1mである、3mがワンチャンスだからだ。
しかしここで切るべきは9mである。
「1mの放銃率5.2%(7.4%×0.7)」←ワンチャンス補正(0.7くらい)込み
vs
「9mの放銃率7.4%÷2=3.7%」←2枚持ち補正込み
ということで2枚ある9mから切る。
また
①下家のリーチは安全牌が少ない河(こういう河を「強い河」といったりする)
②対面の1sがすこし強い牌だが下家のリーチが強い河なので安牌が無くしょうがなく切ったかもしれない
ということも見ておいた方がいいだろう。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
②安牌に困ったら複数ある牌を切れ
⑩ワンチャンス
⑪ベタオリ時の注意点
現物の9mを切る。
ここで見ておいてほしいのは、対面と下家の動きだ。
対面が7m、上家が1mを切っている。
下家の1mはかなり安全な牌だが完全な安牌ではない。
・「わずかに押している」or「安牌が無い」
のどちらか、もしくは両方だろうと推測できる。
対面の7mはそこそこ危険な牌だ。
・「少し押している」or「安牌が無い」
のどちらか、もしくは両方だろうと推測できる。
このようにリーチが入った後は脇の二人の動きを必ず見落とさないようにしよう。
参照:⑪ベタオリ時の注意点
ここで切る牌は1m一択なのだが、考えるべきことが二つある。
まず一つは対面が赤5sを仕掛けて7sを切ったということ。
これで親の対面は明確に攻めていることが分かる。
よって対面への警戒度をグッと引き上げる必要が出てきてしまった。
「リーチへの警戒度を100%」とすると「対面への警戒度は50%程度」となるだろうか。
一番の警戒はリーチだが、対面へもある程度のケアが必要な場面だ。
もう一つは自分の手が復活しつつあることだ。
ということで、例えば「テンパイする牌をツモ」や「上家から出6p」や「対面から出4p」の場面でどうするかを事前に考えておかなければならなくなった。
このように押し引きというのはベタオリ時にもどうしても付いてまわる。
ベタオリ時にも
・「脇の攻撃への対応」
・「自分の手牌の攻撃力」
は常に頭に入れながらオリる必要があるだろう。
参照:⑪ベタオリ時の注意点
ここで切る牌は1m一択なのだが、上家が8sを切った。
確かに下家は9sを先に切っており、筋の8sはそこそこ通りそうなのだが一応ちょい押ししている。
「安牌が無くなった」or「対面と下家を両方ケアする牌が無い」
のどちらかの可能性が高いと見れる。
参照:⑪ベタオリ時の注意点
巡目が進んで7pツモ。
この瞬間にこの手の価値が暴落した。
「下家のリーチ」と「対面の仕掛け」に挟まれたこの状況で4pと7pを通しながら「イーシャンテンを維持」することが困難だからだ。(=損)
ということで7pをツモった瞬間、ここではオリることが一番得な選択になる。
「リーチの現物を切りながら対面をケアする牌」は「7sか8sか7m」しかない。
上家が張っている可能性はかなり低いのでここでは7sでも8sでもどちらでも大差は無いだろう。7mでも別にいいと思うが、一応テンパイの可能性を見て7sか8sがおすすめ。
参照:⑪ベタオリ時の注意点
9pを引いて一応シャンテンに復活した。
対面の3sは明確に押している、ということでこの順ならかなりの確率でテンパイだろう。
あの3sが出たことで「リーチへの警戒度を100%」とすると「対面への警戒度は70%程度」くらいに変化した。
「対面と下家をケアできる7s」切り一択になる。
問題は、この手で「テンパイ出来る牌をツモ」したときや「形式テンパイ出来る牌」を引いた時にどうするか?ということである。
これは難しいので押し引き編に回したいと思うが、そういったことも考えながらオリる必要がある。
参照:⑪ベタオリ時の注意点
3枚切れの南は切る。
こういった牌が来た場合は場に何枚切れているかよく見ること。1枚切れだったらこの場面は恐らく切らないし、2枚切れなら切るだろう。
一番好ましいのは字牌が場に何枚出てるかすべて把握しておくこと(こういうのを字牌カウントと言ったりする)。ちなみに自分は疲れるしめんどくさいのでしていない。
下家の6mが対面に刺さり終了。
ちなみに蛇足ではあるが、NAGAはここで4p切り推奨。
「クズ手&安牌が無い」からだろう。
このように手組みとベタオリも関連してくることも多い。
コラム15 オリる技術より難しいのは「他家対応」と「いつオリるかの判断」と「甘えない精神」
⑫の実戦譜を見ていただいたら分かると思うが、「ベタオリ自体」はそれほど難しくない。今回出てきたベタオリの技術はせいぜい「1m」と「9m」との比較くらいだ。
難しいのは「ベタオリ自体」ではなく「他家への対応」と「絶対にオリるという意思(=甘えない精神)」と「いつオリるか攻めるかの判断(=押し引き)」である。
コラム⑭で言った攻撃と防御が密接に関わっているという意味がご理解いただけたかと思う。
ということで「ベタオリ自体」はそれほどミス無くクリアできるようになり、「押し引き判断」に時間を費やせるようになることをオススメする。
⑬ 難易度★★☆☆☆
上家のリーチが来た。
まずここで点数状況を確認しておこう。点数状況的には
・「下家が飛びそう」
・「対面と上家が競っている」
・「上家と自分が競っている」
ということで点棒的には自分はそこそこ行きたいところである。
しかしこの手は余りにもしょぼすぎるのでオリ一択、ということで現物の7s切り。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
②安牌に困ったら複数ある牌を切れ
すこし巡目がすすんだが、対面がめちゃくちゃ攻めてきている。
「リーチへの警戒度を100%」とすると「対面への警戒度は80%程度」くらいだろうか?
下家の6sはどうだろうか?
「安牌に窮した」or「飛びそうなのでちょい押し」
のどちらかだろうか。
自分の手はどうだろうか?
オワっている。こんな手で攻められるわけもない。
オリ一択、ということで4枚目の西切り。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
⑪ベタオリ時の注意点
この手で攻められるわけもないのでオリ一択だが何を切るべきだろうか?
まず上家と対面への両方への安牌は無いということは認識しておく必要がある。
また場を見渡すと壁も無く、数牌で確実に通りやすい牌も特にないようだ。
ということで一番通りそうな北を切る。間違っても筋の7pを切ってはいけない。リーチ宣言の筋は危ないことを思いだそう。(まあリーチ宣言牌じゃなくても切らないけどね・・・)
ちなみにここで筋だから7p、を切る人は状況判断が全く出来ていないと言わざるを得ない。
「局収支」=「アガリ率×打点」-「放銃率×放銃打点+被ツモ率×被ツモ打点」
を思い出してほしい。一体この手に何%のアガリ率があるというのだろうか?「2シャンテンのクズ手」から「リーチと副露仕掛けに対して放銃率がそこそこある7pを切る」ということがめちゃくちゃ損ということを理解してほしい。
ここから7pを切っている人は絶対に勝てる人にはなれない。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
④モロヒは無筋並に危ない
上家が7pをツモり、下家がトんで終了。
⑭ 難易度★★★☆☆
「東1局3巡目」で対面からのリーチ。
ここから攻めたとしてこの手がアガリになるのは一体いつになるだろうか?気の遠くなるほどアガリから遠い手なのでオリ一択。(押し引き編で詳しくやります)
まず現物が無いことは認識しよう。その上で一番安全な牌はなんだろうか?
ここでは(対面からみて)オタ牌の南一択になる。2枚あるし。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
②安牌に困ったら複数ある牌を切れ
南連打した後に現物が無くなった。
ここでは「3s」か「9s」か「9p」か「東」かの4択だろうか?
実戦はここで東を切った、しかしこれはミスだ。なぜだろうか?
ここで各牌の放銃率を比較してみよう。
3s「5.2%÷2=2.6%」(2sを切っているのでモロヒは少ないと想定)
9s「1.7%」
東「3.2%」
9p「5.9%÷3=2%」(暗刻筋考慮無し)
ということで、東は「放銃率も高い」し「放銃打点も高い」ので一番無い選択になる。また9pは「暗刻筋で放銃率上昇」ということ、「2巡しのげれば安牌が増える可能性が高い」ということで3sがこの場ではベストだろう。次に9s。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
②安牌に困ったら複数ある牌を切れ
東が上家に鳴かれて8mが出てきた。
ということで上家もある程度のケアが必要になった。
「上家のテンパイ率を50%、打点を9000点と想定」して、「リーチの警戒度100%」とすると「上家への警戒度60%」といったところだろうか。
上家が6sを切っていることから3sと9sはそこそこ通りそうだが、3sはひっかけの可能性も無くはないと実戦では判断。NAGAの判断も9pと9sのバーがすこし伸び、3sのバーが少し落ちた。
しかし人間的にはそこまで深く考えなくてもいいだろう。3sでも9sでもどちらでもいいと思う。
参照:⑪ベタオリ時の注意点
現物の1s切り一択。アガリ率がほぼ無い手牌で甘えても損するだけだ。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
⑪ベタオリ時の注意点
ここでは發切りが正着なのだがそれには二つほど理由がある。
まず見てほしいのは下家の4sだ。
・「ちょい押し」or「安牌に窮した」
のどちらかだ。
次に見てほしいのは上家の手出し5mだ。
・対面が5mを切っているのに「8m→5m」の切り順になっているということはこの5mが必要だったわけだ。
つまり下の萬子を持っている可能性が非常に高い。
・手出しが入ったということは単純に下家の4sと同じように4sを切って(こういうのを「合わせ打ち」という)も、上家に当たりうる可能性が多少あるということだ。(まあこの捨て牌ではほぼないだろうが・・・)
ということで4sはちょっと切りたくない牌になってしまった。ちなみにもし上家の5mがツモ切りならここは4sの合わせ打ちが正着になる。
重要なのは「手出しが入ったので4sが当たるかもしれない」という情報だ。(ちなみに「上家が下の萬子を持ってそう」というのはこのクズ手ではもはやどうでもいい、どうせオリるからだ。)
・リーチ者がいる場合の脇の二人の動きは絶対に見落とさないこと
・自分の手牌に価値があるかないか常に判断すること
この二つはベタオリ時には必ず守るようにしたい。
参照:⑪ベタオリ時の注意点
8sも9mもどちらも確実に安牌だ。
さてどちらを切ろうか?
ここで7sが壁になったことに気づけるだろうか?
ということで8sと9mの安全度の違いはあまり無いだろう。もちろん突き詰めれば損得はあるだろうが、ここまで微差ならそれほど気にする必要は無いと思う。一番重要なのはあまり差がないということに気づくこと。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
⑥ノーチャンス(壁)
これもあんまり大差無いと思います。
実戦は上家に9s放銃が嫌だったので9m切り。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
⑪ベタオリ時の注意点
下家の8p放銃で終了。
⑮ 難易度★★★★☆
まず状況を整理しよう。
「東4局22100点持ちの10巡目のクズ手」
「上家が仕掛けて白連打なのでほぼ確実にタンヤオ、テンパイ濃厚」
「対面と下家は1シャンテンくらいが濃厚」(詳しくは捨て牌編でやります)
「自分が4巡目に切ったドラの發は全員スルー」
このくらいの情報を整理出来れば十分だろう。
まず「上家が白連打」をした時点でこの手で攻めるかオリるかをある程度決めないといけない状況になっているということに気づかないといけない。
さてこの手はオリるべきだろうか?
詳しくは押し引き編でやるがかなり微妙だ。
ということは実戦では上家を無視して3sを切った。
コラム15でも述べたが「ベタオリの技術」より「ベタオリするかどうかの判断」のほうがよほど難しい。
対面が手出しで赤⑤pを切ってきた。
緊急事態である。
両面切りでも結構やばいのに、赤含みの両面ターツを落としてきている。
ここで考えるべきは、
A「満貫以上の36p待ちダマ」が本当にあるのか?
B「満貫以上のダマテン」がどれくらいあるか?
C「トイツ系の手の可能性」がどれくらいあるか?
である。
まずAの可能性はない。5pが全見え(壁)だからだ。
次にBの可能性。これは無いことは無さそうだ。
そしてCの可能性。これが一番あるだろう。七対子や四暗刻狙いの可能性が最も高いと思われる。
ということで、ここでは3pを切った。5pが壁なので3pで当たることは対面にも上家にもあまりなさそうだからだ。
NAGAは5s推奨。Bの可能性はほぼ無いという判断だろうか。
参照:⑥ノーチャンス(壁)
まず見てほしいが対面が南を手出しで切った。
この瞬間にさきほどのBの可能性がかなり消え、七対子やトイツ系狙いの可能性が増した。
さて自分は何を切るべきだろうか?
ここでは1pを切った。7pを切って上家に当たる可能性がある程度あると思ったからだ。
NAGAは7p切り。まだアガリを諦めないということだろうか。
ちなみにここは7pを切って振っても全然いいと思う。7pで上家に当たる可能性はそこまで高くなく、打点もあまりなさそうだからだ。(發トイツなら白トイツ落としはまずしない)
参照:⑥ノーチャンス(壁)
⑪ベタオリ時の注意点
ここでは1pでも2sでもどちらでも大差ないだろう。
重要なのは「1pも2sも大差ない」と気づけるかどうか。
2s「上家と対面へは絶対安牌、下家へはちょっと危ない」
1p「下家へは絶対安牌、上家へもほぼ安牌(タンヤオだから)、対面はチートイならワンチャンある」
だからあんまり大差ないよね、ということを認識できているかどうかである。
参照:⑪ベタオリ時の注意点
ついに対面からリーチが来た。
情報を整理しよう。
・「対面はチートイかトイツ系濃厚」である。
面子手ならこれくらいしか恐らく想定できないが、4赤⑤pと払って南を抱えたりするだろうか?普通はしない。
「チートイかトイツ系」以外でこの切り順になることが全く想定出来ないのだから面子手の可能性は読み抜けや相手の切りミスが無い限りは無いと言える。
ということで本命は「發待ち」で対抗は「北、中、8s、9m」、穴が「3m、6s、7s、7p、8p」あたりになるだろうか。
面子手なら下の牌図くらいはワンチャンあるかもしれない、ということでこちらも候補に入れるなら穴「36s」くらいはあるだろうか。
・上家は手出し4s
ここまでずっとツモ切りでタンヤオテンパイ濃厚の上家が4sを切った。これはそこそこの確率で危険牌を引いてオリたということだろう。
ここは5s切りしかないが、このくらいの情報はまとめておきたいところ。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
⑪ベタオリ時の注意点
7p待ちも無いことは無さそうだが、よほどひねった待ちでないと78pは無さそうに見える。この7pくらいは押してもいいだろう、赤5pも切ってるし7pがシャボで当たることも無い。
上家が45sの手出しでほぼ死んだのも見ておきたいところ。
参照:②安牌に困ったら複数ある牌を切れ
⑤赤5が切られたとき
⑦捨て牌的に無さそう
テンパイ出来ずに終了。
コラム15でもいったようにベタオリ自体はそう難しくないことは分かっていただけたかと思う。難しいのは「捨て牌からの読み」と「いつオリるか攻めるかの判断(=押し引き)」と「甘えない精神」である。
⑯ 難易度★★☆☆☆
状況を整理しよう。
「東4局30100点持ちの10巡目の1シャンテン」
「対面がリーチ」
「下家が仕掛けている」
「上家は1シャンテンくらいが濃厚」
ここで6sを持ってきた。この手からわざわざ6sを切ってあげる道理はない。6mでいったん逃げる。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
詳しくは押し引き編でやるが、この手は69sが余った瞬間にほぼ死んだ。
ということでオリ。3mか6mだが一応形を保てる6mのほうがちょっとマシだろうか。
参照:①テンパイしている他家への牌の放銃度
実戦はここで8mを切った。しかしこれはあまりよくないと思う。
下家が4mを切ってわずかに押している。「6mが壁」で、「1mを対面が切っている」ので4mはかなり通りやすいが、それでもちょっとは押しているのだ。
ここは3mを切ったほうがいいだろう、上家が万が一攻撃してきたときにも8mのほうが安全だ。
参照:⑪ベタオリ時の注意点
上家の捨て牌を見てほしいが、2sを押している。
「テンパイで押した」or「1シャンテンで押した」or「安牌がない」
のどれかだろう。
ここで上家がテンパイと見るなら南を切るべきだし、「シャンテンor安牌が無い」と見るなら7mを切るべきだ。
今回は後者と判断し7mを切った。ここは結構微妙。
参照:⑪ベタオリ時の注意点
下家から4sが、上家から白が出た。
どうやら下家は「テンパイ濃厚」、上家は「シャンテンor安牌が無い」という状況だったようだ。
自分の手は相変わらず終わっている。南でも白でもいいので適当に現物を切ろう。(一応南から切ると白連打より自分の手を「良く」見せることが出来るがここまで来るとそんなことどうでもいいです)
参照:⑪ベタオリ時の注意点
対面の4pが刺さって終わり。
(ちなみに下家が染めとは思っていなかった。
「自分の5pが鳴かれてない&この捨て牌」では中々気づくのは難しいだろう。)
以上で実戦編は終わり。
実戦編は「他家への対応」や「押し引き」が入ってくるのでかなり難しかったかもしれないが、ベタオリ自体は一番安全な牌を切るだけなのでそれほど難しくないことが分かってもらったと思う。
次は捨て牌編、最後に押し引き編をやりたいと思う。
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