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仕事を効率化するためのメモを使ったスケジューリングについて 赤井塾20
今回のテーマ
「士業の理想の姿」を実現するために必要な4つの条件として、既にお伝えしたテーマの中からいくつかの話をセレクトして少し深掘りをしています。
今回は、仕事を効率化するためのメモ活用の中のスケジューリングについてです。
現在担当している全ての仕事を把握する
既にお伝えしているとおり、これをメモ活用と言って良いのかどうか分かりませんが、私は、仕事のスケジューリングをメモ用紙やA4の白紙のコピー用紙に書き出すことで行っています。
最初に、自分が現在担当している全ての仕事を把握するために、これらを一枚の紙に、大雑把で良いので全て書き出します。
例えば、
・Aさんの相続事件
・Bさんの離婚事件
・C社の破産管財事件
・… …
・… …
・… …
といった具合です。
これによって、自分が現在担当している仕事の全体像と、全体の量が概ね把握できます。
案外、頭の中だけでは、自分が担当している仕事の全体像を把握できておらず、仕事が立て込んでくると、全体の仕事量を大きく考えすぎてパニックになったり、逆に小さく楽観的に考えてしまって、後で慌てることになってしまいがちです。
なので、これだけでも定期的に行われることをお勧めします。
私は、これを定期的に行うことで、万が一にも、やり忘れている仕事がないかについてもチェックしていました。
相手方の都合でいったん進行が止まっている仕事などは注意が必要です。
やるべき作業を漏れなく書き出す
次に、一枚の紙に書き出した仕事の一つ一つについて、やるべき作業を漏れなく書き出していきます。
ここでは、仕事ごとに一枚の紙に書き出していくのですが、やるべき作業は、できるだけ細分化して、かつ漏れなく書き出すようにするのがコツです。
先の例でいくと、
【Aさんの相続事件】
新件
・委任契約書作成
・訴訟委任状の用意
・訴状案の用意
・ヒアリングの日程調整のための連絡
・ヒアリングする内容についてのメモ作成
・想定される問題点のまとめメモ作成
・… …
・… …
・… …
といった具合です。
これを全ての仕事について行います。
書き出した全ての作業を緊急度と重要度で分類する
書き出した全ての作業の一つ一つについて、「緊急」か否か、「重要」か否かに分類していきます。
これによって、全ての作業が、「緊急かつ重要」、「緊急だが重要でない」、「緊急ではないが重要」「緊急でもなく重要でもない」のいずれかに分類されることになります。
この分類は優先度の指標となるので、これを参考にして、書き出した全ての作業から、まず、そもそもやらなくてもよい作業(「緊急でもなく重要でもない」作業の中に潜んでいることが多いです)があれば、これを排除します。
次に、人に任せられる作業があれば、誰に任せるのかを記載して、これも排除します。
こうして、自らが行うべき作業を確定させます。
期限をつける
それから、自分が行うべき作業の全てに期限をつけていきます。
ここでは、顧客との関係での締切りを優先しますが、できるだけ「緊急ではないが重要」な作業も優先するようにします。
一日一日のスケジュールを決める
こうして全ての作業に期限をつけ終われば、それらを1週間単位でまとめ、さらにそれを1日単位でやるべき作業に振り分けていきます。
最後に、1日にやるべき作業に優先順位をつけ、それらを何時から何時までにやるのか時間単位に落とし込んでいきます。
このようにして、1日1日のスケジュールが決まっていきます。
このスケジューリングは、毎月、毎週、毎日、適宜行います。
簡略版のやり方
このスケジューリングによって、仕事の効率化が図れるのですから、本来は、これにかかる時間を惜しんで欲しくないところですが、どうしても時間が取れないのであれば、簡略版でも良いので、やっていただきたいと思います。
自分が現在担当している全ての仕事を把握するために、これらを一枚の紙に、大雑把で良いので全て書き出すというのは、それほど時間も取らないので、必ずやってください。
また、一枚の紙に書き出した仕事の一つ一つについて、やるべき作業を漏れなく書き出すというのも、少々時間はかかっても、これをしなければ具体的に行うべき作業が分からないので、必ずやってください。
それ以下は、担当している仕事の期限の早いものから順に①②③…と番号をふり、仕事ごとに書き出した作業に①②③…という風に優先順位をつけ、いずれも番号の小さいものから順に近い時期にスケジューリングしていくというような簡易な方法でも構いません。
仕事を効率化するためには、そもそもどのような作業を行わなければならないのかということを具体的に把握したうえで(そもそもこれができていない人が多いのです)、どの順序でどの作業を行うのかを決めておく「段取り」が非常に重要であるということだけは忘れないでください。
私の場合
私は、勤務弁護士時代から、上記の簡易な方法を行っていました。
特に、万が一にも、やり忘れている仕事がないかどうかをチェックしたかったので、自分が現在担当している全ての仕事を一枚の紙に全て書き出すということを、大抵、月初め、月の半ば、月末に行っていました。
スケジューリングをどこまでやるのかについては、各人の立場や仕事内容によっても変わってくると思います。
私は、プレイングマネージャーの立場になると、上記のようなスケジューリングをしないと仕事が回らなくなりました。
最後に、せっかくスケジューリングをしたなら、これは以前にも述べたことですが、是非、前倒しで予定をこなすようにしてください。
まとめ
今回は、仕事の効率化を図るための、メモを使ったスケジューリングについて、具体的に順を追ってご紹介しました。
忙しい方のために、簡易版の方法もご紹介しましたので、ぜひお試し下さい。