第四回 究極の箸(ひがゆき)
時は15年前、自分は中学3年生で、コーラス部で福島県に行った時のこと。
全国大会の本戦出場に向けて、毎日練習をしていた。顧問の先生は「ピッチをもう少し高めに」「助詞の処理が微妙」などととにかく細かい指摘が多い。ある程度形になっているから、そこまでしなくてもいいじゃんと苛立ちを感じつつも、指摘通りに微調整を繰り返した。
練習後、ホテルに向かうバスの中。
せっかく福島に来たのになにしてるんだろ。
練習の疲れでぼーっと外の景色を見つめる。
その時だった。
「究極の箸が出来上がり