夢NO.10 白いヤギ 親方ご自慢の錆止め
こんばんは。今日は真っ白でとても美しいヤギの夢を見ました。
このヤギですが、なんと屋根の上に登っていました。
そして反復横跳びのようにリズムよく、隣同士の家の屋根を何度も行ったり来たりしておりました。
ヤギは、それがまるでヤギの仕事であるかのように必死に運動を続けています。
私は、いつかヤギが自分に向かって落ちてくるのではないか、と気が気でなりません。
よく見るとヤギの顔はとても疲れています。私は心配になると同時に、
(辛いだろうに、よく働くヤギだ。えらい!)
と感心もしていました。
そこに土木工事の親方が話しかけてきました。
親方は、どうやら目の前の工務店で、錆止め剤を売っているようです。
親方は意気揚々と話します。
「俺は店の看板に錆止め剤を塗ったんだ。そしたら近所の店の奴らが
『何でお前のところの看板だけこんなに綺麗なんだ?俺のとこの看板はすぐに錆びてダメになっちまうのに。』
ってウチにやって来たんだよ。それで店に置いてある錆止め剤を紹介したら
めちゃくちゃ売れてさ。前は北海道からお客が訪ねて来たこともあったんだぜ」
私はそんな親方の自慢話を、少し反応に困りながらも一生懸命に聞くことを心がけました。
いろんな人の話を聞くことはきっと仕事でも役に立つだろう、と考えたからです。
そういえばあの白いヤギが見あたりません。
ふと向こうの坂道を見ると、いました。
私より少し若いくらいの人たちと、坂道を全力疾走して遊んでいます。
私は少し羨ましいと思いながらも、
(あんな勢いで走っていてぶつかりでもしたら、きっとヤギの角が体に刺さ
ってしまうだろう。私はここでおじさんの話を聞いていて良かったんだ。)
と自分に言い聞かせ、何とかおじさんの話に意識を集中させようとしていましたとさ。
(おしまい)